「点線国道」 って知ってる?
山梨県への出張を終えて、無事に帰り着いた。帰り道はとくに急ぐ必要もなかつたため、中央高速道を通らず、一般道を通つてきた。しかも、甲州街道(国道 20号線)を辿ると途中で都内を経由してしまうので、えいやとばかり国道 140号線で秩父に抜け、埼玉県の山奥から関東に降りてくるというコースを辿つてみた。
国道 140号線で、山梨と埼玉の県境を越えるのは、ちょっと前まではほとんど無理だつた。ところが、平成 10年に山腹を貫く「雁坂トンネル」というのができて、車で通り抜けられるようになった。
全長 6625メートルで、一般道としては日本最長のトンネルだそうだ。ただ「一般道」を名乗ってはいるが通行料が取られる有料道路で、私も 730円支払って通り抜けた。
このトンネルができるまでは、地図上ではもっともらしく 140号線が奥秩父連峰の途中にある「雁坂峠」を越えていることになっていたのだが、実際に行つてみると車が通れるのは山の麓までで、そこから先は登山道以下の獣道のような状態だつた。噂では、便所を通り抜ける小径もあるということだった。
私は 35年ぐらい前に、奥秩父を東京都の西端、 雲取山から甲武信岳まで縦走したことがある。途中の尾根道に確かに 「雁坂峠」 という案内標識があるのだが、尾根道と峠道が交わっているという気はほとんどせず、縦走路を外れたところはほとんど草に埋もれてしまっていた。とんでもない国道である。
それがトンネルの開通によって車で通り抜けられるようになったのだから、今回はその恩恵を蒙ったわけである。天気も良く、なかなか快適なドライブ日和だったが、一方で「俺も年を取るはずだよ」と思ってしまったことである。
ところで、日本にはまだまだ車の通れない国道があるらしい。専門用語では「自動車交通不能区間」というが、地図上では点線で表示されることが多いため、俗に「点線国道」とも言われると、今日初めて知った。(参照)
有名なところでは、青森県竜飛岬で階段になってしまう国道 339号線があるが、多いのはやはり峠道だ。車が通れないというほどではないが、対向車が絶対にすれ違いないような、とんでもない山道の国道もある。私はそんな道をあちこちで経験しているが、なかなかのスリルである。
【10月 20日 追記】
国道 140号線は便所の中を通つているという噂は、本当だつた。「国道を旅する」 というサイトに、その写真があるので、ご覧いただきたい (参照)。私が 35年前に辿つた尾根道からそう遠くないところにあるようなので、当時見逃したのが残念である。
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