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2014年10月31日

ハロウィーンが、どうやら日本に定着してしまったらしい

今日はハロウィーンの日である。私は 7年前の 10月 29日に「ハロウィーンの換骨奪胎」という記事を書いて、それまで日本では根付かなかったハロウィーンが、ようやく商業主義的なこなしかたが見えてきて、少し盛んになりつつあるようだというようなことを書いた。

それが 7年後の今日、私が思っていたよりさらにずっと盛んになってしまって、今や、東京のハロウィーンは世界でも注目されるほどのものになってしまったらしい。なるほどね。日本人は元々コスプレの素養があったし。

昔は、「そもそも、ハロウィーンって何なの? キリスト教圏のお祭りを日本でやって、何の意味があるの?」 なんて固いことを言う人もいたが、実際はキリスト教とは関係のないケルトのフォークロアリスティックな行事が起源だから、欧米でも宗教色の強いものとはほとんど考えられていない。

まあ、さしもの一神教のキリスト教も、ヨーロッパ全域に布教するプロセスで、すべての土着的、アニミズム的な要素を駆逐するわけにはいかなかったようなのだ。そもそもクリスマスにしても、冬至からの復活を祝う土着行事とコラボして定着しちゃったという経緯らしいし、フォークロア的コンセプトは、地下水脈的な根強さを保っている。

ということは、日本で単なる仮装のお祭りという認識で盛り上がっても、別に違和感はないわけだ。日本の盆踊りなどの行事は、そもそも共通の土壌があるのだしね。キリスト教の宗教行事的色彩が非常に濃いクリスマスがこんなにまで定着してしまったのだから、ハロウィーンがそれ以上に盛り上がったとしても、理屈をこねて否定する根拠は薄い。

ただ、ハロウィーンは盛んになって間もない行事だけに、日本語での呼び方がまだ明確に確立していない。Halloween の本来の発音は「ハロウィーン」(第三音節の 「ウィ」 にアクセントがある)に近いが、日本では頭の「ハ」にアクセントを置く「ロウィン」の方がやや優勢のようだ。

まあ、どうせ換骨奪胎してしまったんだから、ローカルな呼び方として「ロウィン」でも、私としてはギリギリ許してもいいと思う。Wikipedia も「ハロウィン」になってしまってるしね (参照)。ただ、第二音節の「ロ」にアクセントを置いて 「ハーウィン」という人がいるが、私としては、これはちょっと違和感ありすぎるなあ。

さて、クリスマス、バレンタイン・デー、ハロウィーンを次々に取り込んでしまった今、残る大物は、「イースター」である。これは 3月末から 4月初め頃の行事で、その詳細は、私の今年のエイプリルフール・ネタに詳しく書いてある (参照)。

ただこればかりは、「復活祭」というぐらいのもので、イエス・キリストが 3日目に復活したことを記念する行事である。それをキリスト教の土壌がないところでやっても、あまり意味はない。ゆで卵(イースター・エッグ)を食ったり、イースター・バニーのコスプレをするだけでは、ちょっと弱いだろう。

イースターまで換骨奪胎して馬鹿騒ぎするようだと、日本の商業主義恐るべしということになるだろうが、そうなってほしくはないなあ。

 

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