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2014年10月29日

政治家の金銭スキャンダルについて

「政治と金」という昔から尽きることのないスキャンダルが、ついに民主党の枝野幹事長にまで飛び火して、安倍首相が「これで撃ち方やめになれば」と言ったとか。朝日新聞は例によって「野党の追及が弱まることを期待した発言だが、かえって反発を買う可能性もある」と書いているが、今回ばかりはちょっとうんざりだ。

小渕さんのケースはちょっと金額が大きいが、他はうちわを配ったとか、260万円の記載漏れとか、昔と比べるとなんとなく「可愛いものよ」というぐらいのスケールである。決していいことではないが、この程度のことで妙に騒ぎすぎるのも考え物という気がする。

それにしても、「内閣改造前はスキャンダルが出なかったのに、『女性登用』 を謳って女性閣僚を増やした途端に狙い撃ち的に金銭スキャンダルが出たのは、反フェミニズムによる陰謀」なんていう人までいて、ちょっと驚いた。何でもかんでもそっち方面の話にしたがる陰謀論好きは、後を絶たない。

そこまでありがちな陰謀論ではないが、こうまで連続して金銭スキャンダルが明るみに出ると、私なんか「政治家スキャンダル情報屋」みたいな裏街道ビジネスがあって、そこで密かにため込まれた情報が、ここぞと言う時にどっと供出されるんじゃないかと、妙な想像をしてしまった。

スキャンダル専門の芸能ジャーナリストの、政界バージョンみたいなもので、常に政治家の裏情報にアンテナを張りめぐらしておいて、「ここぞという時には、その種の情報はいくらでも提供できますよ」ってな人がいても、決しておかしくはない。ただ、うまくいくとずいぶんな金になるだろうが、下手すると命が危ない。

それにしても、政治と金とは切っても切れない関係にあるようで、いくら浄化を叫んでも絶対になくならない。政治家の後援会に入って明治座で芝居を見たり、冠婚葬祭の度に付け届けや祝電、弔電をもらったりするのを無上の楽しみにする人がいるんだから、しょうがない。ご祝儀や香典は秘書からもらうことになってるんだろうけどね。

ところで、私が今住んでいる家を建てて売ってくれたのは、この土地出身の社長が一代で築き上げた建設・不動産会社だった。この会社から家を買うと、自動的に「友の会」というのに会費無料で入ることになり、毎年秋になると、たった 5000円出すと一泊の宴会付き温泉旅行に大型バスで連れて行ってくれるのだった。

私はそんなものに参加したことは一度もないが、それを毎年楽しみにしている人もかなりいた。噂に寄れば、この会社の社長は地方政界進出の野心をもっており、地盤・看板作りのために、この「友の会」を最大限に利用しているという話だった。

ただ、私としては「せっかく儲けた金をこんなところで湯水の如く使われては、従業員たちはたまらないだろうなあ」と思っていた。友の会の温泉旅行なんかに使うより、従業員のボーナスにしてあげればいいのに。

そんなことを思っているうちに、前世紀末の不況の煽りで、この会社はあっさりと倒産してしまった。「ほうら、言わないこっちゃない」と、私はため息をついたのである。決定的に危なくなる前から、有能な社員がどんどん他社に転職してしまい。最後まで残ったのは、腰巾着みたいな身内社員ばかりだった。

政治家とか地方の有力企業とかにコバンザメみたいにひっついて、ちょっとした金で、あるいはタダで、温泉や観劇や宴会を楽しんだり、妙なところで口を利いてもらったりするのが好きな人間が多いのだから、こればかりは、100年経っても改まらないのである。

改めるためには、他人の金で温泉に入ったり芝居を見たり、飲み食いしたりするのが嫌いな人間が増えなければならない。その意味で、人間は多少オタクっぽくなる方が、世の中が清潔になる。

 

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