Windows の 「製品名」 と 「バージョン・ナンバー」 は一致しない
昨日 「Windows 4, 5, 6 は、登場しなかったのか?」という記事を書いたところ、もりけん さんから、私にとっては「衝撃の事実」ともいうべきコメントをいただいた。なんと、"Windows 7" とか "Windows 8" とかいう名称は、あくまでも OS の「製品名」のようなものであって、バージョン・ナンバーとは一致しないというのである。
バージョン・ナンバーと製品名が一致していたのは、"Windows 3.1" までのことで、それ以後はちっともリンクしていないようなのだ。例えば、Windows 95 は、バージョンでいえば 4.0 であり、以後、Windows 2000 が 5.0、あのしょぼい Vista が 6.0 なのだそうだ。
ということは、Windows 98 系は 95(4.0)からのマイナーチェンジで、98 と 98 SE は、それぞれ 4.1、4.2 ということになるのかと思ったが、調べてみると、98 SE は 「4.10.2222A」 なんだそうだ。へえ! そういえば、Windows ME なんていう、ショボすぎてほとんど忘れ去られた OS もあったが、あれはどうやら、4.9 らしい。(参照)
そしてなんと、Windows として最も成功を収めたとされる XP は Windows 2000(5.0)からのマイナーチェンジなので、5.1 であり、Vista より後は、実は 6.0 からのマイナーチェンジなので、Windows 7 は 6.1、Windows 8 は 6.2、そして Windows 8.1 は 6.3 となる。
Windows 7 が、不評だった Vista をチューンナップしたものなので、6.1 というのは理解できるが、がらりと変わってしまった印象の強い Windows 8 も、バージョンとしては Vista ベースの 6.2 だったというのは、意外や意外というところだ。
Windows 8 がどうにも使いづらいのは、実質的な中身のベースは Vista のマイナーチェンジに過ぎないのに、ユーザー・インターフェイスを大きく変えて取り繕っているという事情があるからなのかもしれない。つまり地はそれほど変わらないのに、表面を妙に厚化粧しすぎたのだ。
まあ、あまり中身を変えすぎると、今度はアプリケーション・ソフトや周辺機器の互換が取れなくなるので、苦しいところではあるというのは、理解できないこともない。その意味でも、Windows というのはそろそろどん詰まりに近付きつつあるのかもしれない。
要するに、ユーザーとしてはこれ以上無闇にバージョンアップしないでもらう方がありがたいのだ。XP で開発したデータベース・アプリが、今年春のバージョンアップ以後使えなくなってしまったというケースもあり、OS のバージョンアップは迷惑以外の何物でもないと思っている向きも多いのである。
というわけで、製品名としての "Windows 7" や "Windows 8" は存在しても、バージョン・ナンバーとしての Windows Ver. 7 以後は、少なくとも製品版としては、この世に存在しないのである。
これはあまりにも「衝撃の事実」と思われたので、もりけん さんを信用しないというわけではないが、一応裏を取らせてもらった。Microsoft 自身のサイトに「Windows のバージョン確認方法」というページがあり、そこにある画像で確認すると、やはり、もりけん さんのおっしゃる通り、Windows XP は、バージョンでいえば 5.1 だったのである。
そして、最新の Windows 8.1 は、バージョンでいえば 6.3 ということになる。上述のページにあった画像でも、こんなふうになっており、Microsoft 自身がそう表示しているのだから、間違いない。
やっかいなことに、本文の上から 2行目で 「バージョン 6.3 (ビルド 9600)」 としながら、Microsoft 自身が余計な説明をつけて、"Windows 8.1" を 「バージョン」 としているので話が紛らわしくなっているが、開発者自身が "Windows 8.1" の Windows としての 「本来の意味でのバージョン」 は、6.3 だと明言していることに違いはない。
念のため、自分のお古の Windows 7 で、"winver" を実行させてみたら、以下のように 「バージョン 6.1」 と表示された。確かに Windows 7 のバージョンは、6.1 なのである。ああ、ややこしい。
もりけん さんの指摘がなければ、この事実を知らずに死ぬところだった。まだ頭のボケないうちに知ることができたのはもりけん さんのおかげで、感謝しなければならない。
バージョン・ナンバーと製品名が一致しないのは、開発部門とマーケティング部門との意思が一致しなかったのだろう。売る方としては、どうしてもインパクトのある名前を付けたかったのだが、Vista 以後はその意欲もちょっと息切れしてるのかもしれないね。
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コメント
そういえばWindows95のバージョン番号「4.00.950」というのは何度か目にした覚えがあります。
Windows7のPCで「システムのプロパティ」を開くと、「Windows 7」は「Windowsエディション」と表記されていますね……。これが製品名に当たる部分なのか。
投稿: 山辺響 | 2014年10月 3日 18:04
山辺響 さん:
>Windows7のPCで「システムのプロパティ」を開くと、「Windows 7」は「Windowsエディション」と表記されていますね……。これが製品名に当たる部分なのか。
私のお古の Windows 7 PC で、「システムのプロパティ」を開くと、「Windows エディション」 として、"Windows 7 Professional” と表示されます。
これがいわゆる「製品名」なんでしょうね。
MS は無神経に、"Windows 7" の部分を 「バージョン」と呼び、"Professional" の部分を 「エディション」と呼んでいるみたいですが。
投稿: tak | 2014年10月 3日 21:51