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2014年11月16日

偏差値 39の受験生が、2か月で一流大学に合格した話

Nifty News に、"受験生に朗報 「受験は3か月あれば間に合う」" という記事へのリンクがあった。私は「うん、確かに 3か月あれば十分だよね」と思った。それどころか、私は今年 2月に「入試シーズンになると思い出すこと」という記事で書いたように、大学入試のための受験勉強は、直前の 12月、1月の、2か月しかやらなかった。

冒頭のリンク先に飛んでみると、この記事を書いたのは、『偏差値 40の受験生が 3か月で一流大学に合格する本』を書いた先生だとわかった。私はまたまた、「うん、そりゃそうだよね。偏差値 40ありゃ、十分すぎるよね」 と思った。何しろ私は上述の記事ではそこまで書かなかったが、高校 3年時の偏差値は 39しかなかった。

さらに受験ということにまったく興味がなかったから、自分の偏差値が 39ということすら全然知らなかった。後輩に「ウチの高校の受験資料によると、前年度にワセダに現役合格したのは 1人だけで、しかもその人の偏差値は 39ってことになってるんですけど、それって、先輩のことですよね」と言われ、それで初めて知ったのである。

ただ、「偏差値」という言葉のちゃんとした意味や、どんなシステムでそんな数字を弾き出すのかということについては、今でも何も知らない。興味がないから、調べてみようという気にもならない。

ウチの高校はその頃、進学校とはいえまともな進学指導なんてしていなかったようで、私以外の受験生は偏差値 50〜60以上あっても、軒並み不合格だった。そしてそのはるか下の 39というところに、1つだけぽつんと〇印がついていて、それが私だったのである。まったくもう、他の連中は 3年間もかけて何をさせられていたんだろう。

それをみても、冒頭のリンク先の記事を書かれた予備校の先生がいうのもわかる。フツーの高校の受験指導なんて、確かに間違いだらけなのだ。私は母校の教師に「お前みたいなケースがあると、『受験勉強なんてぎりぎりまでしなくていい』ということになって、指導上困ってしまうんだよ」と言われた。

というわけで、私は「偏差値 39の受験生が、2か月で一流大学に合格する本」というのを書けたかもしれない。ああ、実際に書いとけばよかった。だって、本当に受験勉強なんて、ぎりぎりまでしなくていいのだもの。

ただ、上述の受験生への「朗報」という記事を読んでみると、なんだかいかにもつまらないのである。この先生はいわゆる「勉強」という行為を、一流大学の入試に合格するために「最適化」するのが、最も正しい方法だと言っている。

私の考えでは、「勉強」を大学受験なんていうつまらないものに最適化させてしまったら、それ自体がとてもつまらないものになってしまう。そんなつまらないことに、若い時代の 3か月間を振り当てるなんて考えられない。かけがえのない時間の損失になる。2か月で十分だ。

もっとも、私の高校 3年時の偏差値が 39しかなかったと言っても、中学時代は常にトップだったし、とくに勉強なんかしなくても、試験で苦労したことは一度もない。家庭学習しろなんて言われても、「授業でたいていわかっちゃうんだもの、これ以上、一体何を勉強すればいいんだ?」と思って、遊び呆けていた。

経験からいうのだが、大学入試に出てくる問題のレベルなんていうのは、中学校までの学習の土台さえしっかりできていたら、あとは簡単に身につく。だから、高校時代はさらに徹底的に遊び呆け、授業をサボりまくって、偏差値が 39まで落ちていた私も、2か月あればあっさり取り戻せた。

高校時代は遊び呆けていたといっても、いろいろな本は読んでいたから、受験勉強には全然最適化されていなかったけれど、脳内はとても活性化されていたと思う。だから私は、予備校の一流講師の助けも借りず、「最も最適化された受験勉強」のメソッドを自力で自然に発見して、というか、ずっとわかってはいたけどあえて実行する気になれなかったことを、最後の 2か月間で、ちゃちゃっとやっちゃったわけだ。

あんなくだらないメソッドの受験勉強を 2か月より長く続けていたら、私は私でなくなっていた。きっとスポイルされてしまっていたと思う。幸運なことに 3か月も関わらずに済んだから、今の私がある。

ただ逆に言えば。高校生活のほとんどを、好きなことしかせずに遊び呆けていたからこそ、受験というものを外から客観的にみて、「要するに、こことここさえ答えりゃいいんでしょ」というキモを自然に理解できたのだと思う。そして、2か月が限度というほどの、ちょっとした集中力を発揮したのは、確かかもしれない。

そしてそれから先は、いわゆる受験勉強的なものでないことばかり学んできているというわけなのだよね。

 

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