日本のオフィス照明って無駄に明るすぎ
最近、「JIS 照度基準」なるものがあると、初めて知った。工場、学校、商業施設なと、用途ごとに実にきめ細かく、必要な明るさが定められている。例えば、工場の設計室、製図室は 750ルクスなどと定められている。どうやら、事務系のオフィスは 500〜750ルクスぐらいと定められているようだ。
それで「オフィスの明るさは 600ルクス必要」などというのが一般的認識になっているが、省エネが叫ばれるようになってようやく「それは神話にすぎない」と言われるようになった。環境意識の高いオフィスでは、室内の照明は 350ルクスぐらいに設定されれていて、実感としてそれで十分である。
近頃は事務系の仕事では PC を使うのが当たり前で、ディスプレイは光っているので周りをそんなに明るくする必要はない。紙の書類を読むのでも、部屋全体をそんなに明るくする必要はなく、手元だけをタスク・ランプなどで照らせばいい。最近は LED の省エネ型のものがいくらでもある。
近頃は窓ガラスなどの開口部を広くとって、晴れた日中はさんさんと日の差し込む設計のオフィスが多いが、それでも天井の照明を全部点けている。試しにその照明のスイッチを切っても、体感的な明るさはほとんど変わらないのだが、従業員は出社するとほぼ自動的に照明のスイッチを全部オンにする。
たまに環境意識の高い従業員がいて、スイッチを入れないでおいても、後から来たオッサンが何も考えずに、バシバシ全開にする。トイレから出る時にスイッチを切ると、「なんでいちいち暗くするんだ」と怒り出したりする。
オフィスの照明というのは、かなりの電力を使う。これをすべて LED に変えて、エアコンをちょっと節約モードで使うと、電気代はものすごく安くなる。トイレの照明を、センサー付きにして使わない時には自動的にオフになるようにすると、さらに節約になる。
「暗いのは嫌だ」なんて言っている人でも、オフィスの照明をこっそりと半分しか点灯しないように細工しておいても、全然気付かなかったりする。日本のオフィスの照明の使いすぎを是正するには、単に気分的な「明るい方がいい」という思い込みを、リセットする必要があると思っている。
家の明かりでも、コンビニの店内みたいに馬鹿馬鹿しいほどあかるくする必要はない。試しにちょっと照明を暗めにしてごらん。とても落ち着くから。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 東京スカイツリーから隅田川花火を見下ろすと(2023.05.22)
- 日本の「マスク神話」って、メチャクチャ強いのだね(2023.05.19)
- 岐阜市の「オリジナル SDG's ロゴ」を巡る冒険(2023.05.09)
- 「東浩紀さんにサブスクライブ」なんてしないよ(2023.05.02)
- 風速 10メートルの中で自転車をこぐ時の体感(2023.04.29)
コメント
tak-shonaiさんごきげんよう~
こんばんは~
日本の照明ね。
私もつくづく思っていましたよ。
ワシントンに行ったとき、あまりの照明の暗さに驚きました。街中が暗く、空港内も暗いのです。
日本に到着した時はもう、目が痛くなるほど明るくて明るくて、すべてすべてが明る過ぎですよね。ほんと。
投稿: tokiko6565 | 2014年11月24日 18:35
tokiko さん:
ドイツはもっと暗いですよ。
薄暗い中に、ほんのりした明かりがあるという、ロマンチックな雰囲気が大好きみたいです。
日本人は 「陰影礼賛」 なんて美意識は忘れてしまったみたいですね。
投稿: tak | 2014年11月24日 22:49