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2014年11月17日

水鳥の脚は冷たくないのか

いよいよ寒さが増してきて、近頃まれなほどにたっぷりと満喫した秋が終わり、冬にさしかかった。我が家の裏手を流れる川も、水量が減ってきて冬の様相になってきている。そしてその水量の減った川に、白鷺が頻繁に舞い降りて水の中の魚を狙っている。

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私が冬の鷺を見て感心するのは、「よく脚が冷たくないもんだなあ」ということだ。冬の川とて水深が浅くなってはいるものの、場所によっては、あるいは雨の翌日などは、結構な深さになる。時には脚のかなりの部分が水中に没したまま、鷺はじっと立っている。

右の写真は 5年前に水かさが増えた冬の朝の写真だが、かなり寒い朝で、かじかむ手でシャッターを押したと記憶する。鷺ってよくまあ、こんな冷たい流れの中に立っていられるものだ。

ちょっと気が向いて調べてみたら、鳥類の脚は羽毛に蔽われずに剥き出しなので、寒さや水の冷たさに対応するために、特別の構造になっているということがわかった。寄崎まりをさんという鳥類専門の獣医師さんのブログによると、鳥の脚には 「脛足根血管網」 という効率的な温度調節機能があるらしい(参照)。以下に引用する。

これは体から足先へ向かう動脈と足先から体へ返る静脈が網目状に変化し隣り合わせになっています。体を流れてきた暖かい動脈血は足先からくる冷たい静脈血と脛足根血管網で隣り合わせになることにより冷やされて足先にいきます。一方、足先にからくる冷たい静脈血は暖かい動脈血と交わることで温められて体に戻ります。

つまり、足先に向かう動脈血は途中で冷やされて、外気温との差が小さくなり、そのために寒さや冷たさを感じなくて済む。そして静脈血となって再び心臓に戻る時、今度は暖められて、体幹を冷やさずに済むというのだ。要するに、血液が脚に行き来する途中で、熱交換をしているのだ。

ただ、こんなような効果的なシステムを体内に内蔵するとはいえ、それでもやはり、我慢強いものだと感心してしまうのである。野生であるということは、ちょっとしたことである。

 

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コメント

あのね、
昔もどこかに書いたことがあったけど、
水鳥の足をさわったら、とても熱かったです。
びっくりしましたよ。


投稿: tokiko6565 | 2014年11月24日 18:48

tokiko さん:

へえ、そうですか。そりゃびっくり!

世の中、わからないものですね。

投稿: tak | 2014年11月24日 22:50

(鷺の中でもアオサギが大好きな者です)
水鳥と言ってもサギ類は、アヒルやハクチョウのように尾脂腺からの脂を羽に塗ったくっている訳ではなくて、羽の角質で辛うじて撥水してるため、水に浸かってしまうと水面にその粉羽が浮くというなんとも中途半端な撥水性で(笑)そのためあのような(?)水には脚しか浸からないぞっ!転んだりするもんかっ!ていう直立不動体勢になってます。なんとも愛らしい生きものです。

投稿: jas | 2014年12月11日 13:03

jas さん:

コメントに気付くのが遅れて、チョー亀レスになってしまい、申し訳ありません。

これはまた、目からウロコの指摘です。
鷺は頑張ってるんですね!

投稿: tak | 2020年12月 9日 20:05

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