「スイートルーム」 という言葉
最近、妙に気になる言葉に「スイートルーム」というのがある。何だか知らないが、あちこちで目にするのである。ホテルなどで、続き部屋になっている(居間とベッドルームみたいになっているようなの)のを称して、「スイートルーム」というようなのである。
しかし「トラベル英会話」みたいなアンチョコ本でも、続き部屋を予約するときには "suite" ということになっていて、"suite room" なんて言わない。私はそんな豪華な部屋に泊まったことがないから全然縁がないが、カタカナ語ならいざ知らず、英語としての "suite room" ってのは、かなりの違和感だ。
そう思って試しに調べてみたら、これは和製英語とわかった(参照)。やっぱりね。いや、それどころか EnlightenMe(私を啓蒙して)というサイトには "What is the Difference Between a Hotel Suite and a Room?" (ホテルのスイートとルームの違いは?) というページまであり、そもそも両者は別物であるらしい。
上述のページによると、私がいつも泊まるような、ごく普通のホテルの部屋のように一部屋になっているのが "room" で、やたら大きな部屋とかラウンジとベッドルームみたいに続き部屋になっているのが "suite" であるという。
"Suite" という言葉は元々は「一揃いのもの」という意味で、セットの家具とか、組曲とかいう意味もあり、最近ではパソコンのパッケージソフトの "office suite" という言葉でもお馴染みだ。
さらにこの言葉は "suit"(スーツ、背広)という言葉と同じ語源から発している。なるほど、背広も上下一揃いだからね。こんなの、似たような意味なんだからスペルも発音もどちらかに統一すればよかったのに、なぜか、別の言葉になってしまっている。
「スイートルーム」の話に戻るが、日本では "sweet room" という表記をよく目にする。ググってみると多くは固有名詞のようだから(参照)、まあ洒落なんだろうが、ちょっと複雑な思いがこみ上げて来ちゃったりするのである。
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コメント
tak-shonaiさんごきげんよう~
おしえてくださって、ありがとうございました。
私は今の今まで
スィートルームって、suite でなく、sweetだと思っていましたよ。はははははは・・
73年間も知らなかったなんて!!バカでしたね。
投稿: tokiko6565 | 2014年12月 7日 06:44
tokiko さん:
>スィートルームって、suite でなく、sweetだと思っていましたよ。はははははは・・
こんな身近にいましたか ^^;)
まあ、ありがちなんでしょうね。なんとなく、新婚さん向けの部屋という感じかな。
投稿: tak | 2014年12月 7日 21:40