大雪見舞い
昨日まで二泊三日で出張していたのだが、ビジネスホテルでは大抵 NHK の天気予報を見るので、今回の低気圧が「爆弾低気圧」と呼ばれたことを、帰宅するまで知らなかった。NHK ではもっぱら 「急速に発達した低気圧」 という言葉を使っていたからね。
Wikipedia によると「爆弾低気圧」というのは純粋な日本語じゃなく、1980年に MIT の気象学者、Frederick Sanders らが "bomb cyclone" と言い始めてから広まったものらしい。明確な定義はなく、気象用語としては俗語扱いになっているという。お堅い NHK が使わないはずだ。
それにしても、今回の「爆弾低気圧」はすごい。山口県からの帰路、北陸、東北の日本海側に行く特急は軒並み運行を停止していると伝えられた。我が故郷に行く際に、新潟駅から乗り換える L特急の「いなほ」はもちろんのこと、山形新幹線も停まっていた。北海道に至っては、「外出しないよう」 に呼びかけられていたほどだ。
私も一応、「雪国」 の生まれということになっているが、実はめちゃくちゃな大雪というのは経験したことがない。山形県の酒田という街は、人間が普通の都市生活をしているところとしては、「世界最凶のブリザード地帯」と言われている。日本海側に直接面した港町なので、冬になると猛烈な季節風が吹き荒れるのだ。
この猛烈な季節風は「地吹雪」を引き起こす。35年前に上京して、私は「地吹雪」が何のことだか知らない人が多いのに驚いた。単なる吹雪のことだと思っている人が多いのである。今さらだがここで説明すると、地吹雪とは、一度地面に降った雪が強風で巻き上げられる現象である。視界を遮ってしまうほどの地吹雪も珍しくない。
酒田は、この地吹雪が多いのだ。なにしろ、冬になるとしょっちゅう風速 10m(時々は台風並みの 20m)の風が吹き荒れる。だから、雪は上から降るというより、横から下から吹き荒れる。街中で平気で「ホワイトアウト」(視界が真っ白で何も見えなくなる状態)してしまう。私もほぼ手探りで学校に行ったことが何度かある。
下に積もりかけた雪が風で巻き上げられ、東側の山まで吹き飛ばされるので、普段の年は、雪は積もってもせいぜい 30cm 内外である。「吹きだまり」 と呼ばれる風の通せんぼになったところでは、1m 以上の積雪になることもあるが、そんなのはごく限られたエリアに過ぎない。
ただ、歴史に残る「豪雪」の冬になると、酒田でも大変な積雪になって、除雪した雪の捨て場に困るようなことがある。しかし、私が物心ついてから高校卒業するまでの間には、それほど極端な豪雪の記憶はない。
というわけで、私は猛烈な地吹雪体験は豊富だが、積雪量に限った大雪経験に関しては、まったく口ほどにもない男である。それだけに、今回の大雪に見舞われた地方の方は、年も明ける前からさぞかし大変なことになっているだろうと、お見舞い申し上げる次第である。
無理をして怪我することがないように、ぼちぼち対応していただきたいと思う。
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