Phone なら多少の不具合が許されてしまうのは
日経 BPO のニュースレターに「なぜ iPhone だと許されるのか?」 という山中浩之氏の記事があった。Apple 信者の盲目的追従ぶりや iPhone の過剰なブランド化に対する批判的な内容かと思って読んでみると、中身はその正反対だった。
山中氏の iPhone 6 に入れてある曲が、ある日片っ端から聴けなくなったのだそうだ。これは昔からあるトラブルらしいが、山中氏は初めて遭遇したらしい(結果的には iCloud との同期やり直しで解決したという)。そういえば iPhone は、純正マップのお粗末さやアンテナの不具合など、昔から結構トラブルには事欠かないが、なぜか致命的ダメージとはなっていない。
他のスマホなら市場から消えてしまってもおかしくないようなトラブルでも、iPhone だとなぜか許されてしまう。山中氏も前述のトラブルに遭遇した時、「他のスマホに乗り換えようとは、まったく思いませんでした」と言う。これはなぜなのか? 山中氏は次のように述べる。
「思い切った革新さえ見せつければ、多少の不具合は気にしなくていい」 これこそ我々日本人が、iPhone から学ぶべき点なのかも…。 しかし日本ではこういう発想の商品(不具合覚悟で革新に賭ける)は、そもそも発売を許されないはず。なので、やはり日本企業から iPhone が生まれるわけがなかったのです。その一方で、ユーザーとしての日本人は、こんな iPhone を熱烈に愛している。
こうしたことを踏まえ、山中氏は「ミスをなくすのも大事ですが、ミスを許してもらえる商品、サービスの作り方こそが、iPhone、アップルの秘密のような気がします」と結んでいる。
私も iPhone ユーザーであり、山中氏の見解に概ね同意する。私が iPhone からアンドロイド・スマホに乗り換える気がしないのは、iPhone の直感的使い心地とアプリの豊富さ、そしてその豊富なアプリが一応信頼のおける一元的なチャネルで入手できるという安心感が他では得られず、それが多少の不具合を補って余りあるからである。
私とて アンドロイド・スマホをいじってみたことぐらいはある。つい 1年半前まで使っていた E-mobile の Pocket Wifi は、まさしくテザリングができるアンドロイド・スマホだった。その上でいうのだが、アンドロイドは操作の直観性において、iOS と比較にならないほど劣る。
アンドロイドだと、ごく当たり前の操作がメニューのかなり奥深くに隠れていたりする。メニューの構造が、「純粋にプログラムの論理でいえばそういう分類になるんだろうけど、ユーザー感覚からするとうっとうしいよね」 と言いたくなることが多い。
要するに全体が、緻密なまでに論理的なプログラマー感覚に沿っている印象なのである。まあ、iOS とてもちろん論理的にはプログラムされているのだが、それは裏に隠されていて、ユーザー・インターフェイスは直観優先でいけるものに翻訳されている。しかしアンドロイドでは、緻密な論理がそのまま表面に出ているというイメージなのだ。
ある意味、これは好きずきの問題ともいえて、だからパソコン好きや IT オタクには、アンドロイドは何の抵抗もなく、むしろ「好ましい」と思われるほどでもあるようなのだがね。
私の場合、iPhone で何かの操作をする時、直観で「こうかな? ああ、やっぱりそうだった」で済むのだが、アンドロイドだと「こうかな? あれ、違うな。じゃあ、こうか、いやこれも違うか」とあちこちクリックしてみて、「まさか」と思っていた最後のクリックが正解だったりする。
そんなわけで、「辿り着いてみれば、それはなるほど理屈通りと納得するのだけれど、普段何気なく使う分には、何をするにも iOS と比べて一手間か二手間多いよね」と思ってしまいがちだ。
ある意味、論理よりもユーザーの直観に近い操作感覚を優先しているところが、iOS の最大のメリットである。だから一度これに慣れてしまうと、iPhone に多少の不具合があったとしても、アンドロイドに乗り換えて毎日イライラしようとは、決して思わない。ましてや、Windows でスマホをしようなんて、発想すら浮かばない。
つまり、iPhone が「多少のミスを許してもらえる製品」であるのは、その「圧倒的に心地よい直感的操作感覚」故であると思う。この快感を保証してくれる機種は他にないのだから、ほとんどの iPhone ユーザーにとって、「ずっと iPhone を使い続ける」というのは、「ほぼ動かしがたい前提条件」になる。
どんなに聞こえのいい新機能満載のアンドロイド・スマホが新発売になっても、恐縮ながら興味を覚えることすらない。だから私を含む多くの iPhone ユーザーは、ギャラクシーと Xperia のどっちが SONY でどっちが Samsung かということさえ、はっきりわかっていない。
一方、iPhone といえば誰でも Apple とわかるのは、ものすごいブランド力で、それは他では実現されない「心地よい操作感覚」によるものであると思う。
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コメント
初めまして、2〜3ヶ月前から閲覧してる者です。
こちらに通い始めた頃はまだそれほどスマホに関心が無かったんですが、段々真剣に検討するようになりまして…3日前ついにガラケーからiPhone5sへ乗り換えました!
(6は大きさがどうしても(^^;)
実際に触ってみて、iPhoneは感覚的に操作出来るというのがよく分かります。
siriも含めて使い易いですね。
つい最近、春にauからスマホ要素もある新しいガラケー発売のニュースを見て少し揺れましたが、やっぱりiPhoneにして正解でした(o^^o)
こちらのブログにも背中を押してもらったので、お礼を言いたくてコメントを投稿しました。
ありがとうございました♪
投稿: saori | 2015年1月27日 18:25
saori さん:
ご愛顧、ありがとうございます (^o^) そして、iPhone デビュー、おめでとうございます。
6plus にしてよかったという人も結構いますが、日本女性には、5s の大きさがちょうどいいのかもしれませんね。
投稿: tak | 2015年1月27日 21:21