食品の異物混入と、原発の安全性
食品の異物混入というのが、最近やたらとニュースになっている。これほどまでに連続して取り上げられるのは、最近になって急に増えたからというわけじゃなく、元々珍しくなかったことが、急にニュースになり始めたからとみるのが自然だ。
実際、東京都福祉保健局によれば、平成 24年度に都内保険所に届けられた「異物混入」ケースは 681件もあったという(参照)。東京都だけで 1日に 2件近くもあるのだから、「この際、どんどんニュースにしちまおう」というつもりで調べれば、ネタはいくらでもある。
ニュースになりさえしなければ「日本で流通している食品は清潔で安全」という神話がまかり通っていたのだが、一度ニュースになってしまうと、たがが外れたように、神話を覆す材料があとからあとから出てくる。決して急に湧いてきた話ではなく、これまでは闇から闇に葬られていただけのことだ。
こうしたことは、原発の「安全神話」と同じ根っこをもっていると、私なんかは思ってしまう。福島の事故が起きるまでは、原発事故は「起きないもの」とされていた。とにもかくにも、「安全」なんだから、安心して受け入れろと言われていたのである。
しかしその実態を探れば、東日本大震災以前にも、日本各地で原発の小さな事故はいくらでも起きていた。原発を作ったメーカーの担当者は、何か不具合が起きる度に現場に飛んで、結構長期間尻ぬぐいに追われるなんてことがあった。報道されることは滅多になかったが、そんなケースがなかったとは言わせないよ。
何が言いたいかというと、食品にしろ原発にしろ、何か事故が明るみになって初めて「信頼が裏切られた」なんて言って大騒ぎするのは、「甘すぎる」ということである。事故は見えないところでしょっちゅう起きているのだ。
食品の異物混入ぐらいのニュースは、出始めるとどんどん出てくるが、原発関連のニュースは、あまりまともに取り上げすぎると大変なことになると思われているのか、ガラス張りになっているという印象は全然ない。せめて食品ぐらいの率直さで取り上げたらと思うが、それは期待できないだろうなあ。
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コメント
完全なる管理は困難です。
だって、人が携わるんですから!
原価を抑えるために設備投資して自動化し、フルオート!まで至っても、給仕するのは人です。
この際、オートレストランなる「うどん」や「ハンバーガー」などの自動販売機を再設置したら、異物混入は防げます!(機械内に入り込んだコンチウは勘弁…)
結局、抜け出せません。
投稿: 乙痴庵 | 2015年1月23日 02:17
乙痴庵 さん:
原発と同じで、「絶対安全です」という空約束を無邪気に信じてきたので、今さらながら騒いでいるという図式ですね。
投稿: tak | 2015年1月23日 12:29