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2015年1月 3日

今年の箱根駅伝のテレビ中継

テレビをあまり見なかった私も、最近は BS なら見るようになった。教養番組、スポーツ中継、旅番組などで、BS には見る価値があると思われる番組が多い気がするのである。もちろんそれは個人的な趣味嗜好による判断なので、万人に当てはまるものではないが。

というわけで、地デジをほとんど見ない私だが、正月の 2日と 3日だけは、箱根駅伝をつい見てしまう。今年もずっと日テレに釘付けになってしまった。

ただ、とくに二日目の復路中継で「これってどうなのかなあ?」と思う点があったので、ちょっとだけ書いておきたい。もちろん、これとて私が個人的に不満に感じた点というに過ぎない。こうした番組では誰もがつい 「わがまま」 を言ってみたくなるもので、この記事もその類いと思っていただいて構わない。

番組を通じてやたら CM が多かったという印象があるのは、これはまあ、しょうがないかもしれない。これだけ視聴率の高い、お正月の代表的なキラー・コンテンツなのだから、日テレとしても目一杯儲けたいというのはわかる。それに、これだけの番組のスポンサーになれるような大企業は、少しは業績が良くなっているのだろう。いいところですぐに CM になってしまうのは、我慢しよう。

ただ、時々音声と映像が全然リンクしていないケースがあったのは、「ありゃりゃ?」と思った。映像がシード権争いのデッドヒートを映しているのに、音声が延々とそれよりずっと下位のチームのサイドストーリーに触れていたりしたのは、テクニック的な不手際なのかもしれない。

最も違和感を覚えたのは、復路の中継で青学が一人旅の断然トップなのはいいとして、その後に続く有力校、駒沢、東洋、明治、早稲田の情報がえらく軽視されていたことである。青学の一人旅と、シード権争いの団子状態の場面がほぼ交互に延々と映し出され、その間に最後尾付近の画像まで丁寧に映し出す。7区と 8区では、2〜5位がまったくフォローされない時間帯がかなり長かった。

時々思い出したように、上位の状況が映し出されても、順位が接近し始めるような「いいところ」で、突然 CM になる。そして CM が終わると、全然別の場面になっていて、CM の間に上位の状況がどう変わったかなんて、まるで忘れ去られたように触れてもらえない。

昨年までは、上位争いの画像もかなり丁寧に拾われていた印象がある。しかし今年は、時々申し訳程度に明治と早稲田の併走画面が映るだけで、上位同士のタイム差がどのくらいあるのかなんて情報はほとんど流れない。とくに 2〜3位を争う駒沢と東洋は軽視されていて、両校の贔屓の視聴者は、フラストレーションをため込んだろう。

それに比べて、中位のシード権争いの場面はかなり丁寧に拾われていた。さらにそれだけでなく、襷のつながらない下位のチームまで必要以上にフォローされていたように思う。「上位争いよりも、下位の情報が重要ってことなのか?」と思ったほどである。

勘ぐりすぎと言われるのを覚悟の上で書くが、最下位付近が妙に丁寧に拾われていた印象があるのは、この辺りに創価大学がいたからじゃないかと思ってしまうほどだ。9区から 10区の間で創価大学の襷がつながらなかった場面でも、「ここまで映すか」というほど長く、「悲劇のサービス映像」が提供されていたし。

結果論として、下位の方に必要以上のカメラを割り振った影響で、上位の映像を拾うカメラが手薄になってしまったんじゃないかと、私は邪推しているのだよね。

まあ、これまでは「箱根駅伝のテレビ中継は、早稲田贔屓」と言われる傾向があって、私なんかその恩恵に浴していたので、「今さら何を」と言われるかもしれない。中継の編集権はテレビ局にあるので、別にことさら抗議するつもりもない。ただ、「ふぅん」と思ってしまったので、ちょっと繰り言を書かせてもらったわけである。

最後に付け加えるが、青学の最終ランナー、安藤悠哉君が大手町のゴールを駆け抜け、タオルもかけてもらわず、そのままの勢いでダッシュして仲間の歓喜の輪の中に飛び込んで行った場面は、とても感動的だった。あれを見ただけで、「今回の箱根は、まあいいか」と思ってしまったことも事実である。

 

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