餅は危険な食い物と、いくら言っても
この時期になるといつも書いているような気がするのだが、ことしもまた、餅を喉に詰まられて命を落としてしまう人が少なくない。餅は間違いなく危険な食い物である。昨年末の NHK 生活情報ブログに、「"必ず起きる" 『餅の窒息事故』に注意!」という記事があった。
この記事によると、餅を喉に詰まらせての救急搬送は、データのある東京消防庁と大阪市消防局管内だけで、年間 100人以上に及ぶらしい。さらに「不慮の窒息による死亡者数」というグラフがあり、これは餅によるものとは限らないが、12月、1月、2月に急増しているところから、かなりの部分は餅を喉に詰まらせての窒息事故と考えられる。
グラフによると、1月の 「不慮の窒息による死亡者」は 1500人近くで、夏場の 2倍ほどに達している。その 80〜90%が 65歳以上の高齢者で、餅がいかに危険な食い物であるかを物語る。高齢者に限っていえば、交通事故で死ぬより、餅で死ぬ人の方が多そうだ。
最近はマスコミが、餅を食べる時の注意事項を繰り返し流しているが、それでも窒息事故は後を絶たない。それどころか、これから高齢者がますます増えるのだから、窒息による死亡もますます増えるだろう。
これも何度か書いていることだが、情報というのは、いくら繰り返し流しても、届かないところには絶対に届かないのである。「振り込め詐欺に注意」という情報がこれだけ繰り返し発信されても、被害者が増えていることをみてもわかる。
また、こんにゃくゼリーは危ないという情報をいくら流しても、可愛い孫にわざわざ半解凍のこんにゃくゼリーを食べさせて、死なせてしまったばあさんもいる(参照)。
テレビ放送が地デジに切り替えられた時も、「ウチのテレビが急に映らなくなった」という苦情が殺到したという。あれだけ何年も前から繰り返し広報して、世間の話題にもなっていたのに、「ウチには関係ない」と思っていた人が少なくなかったようなのである。(参照)
それから、最近驚いたことなのだが、自転車は左側通行という常識を知らない人がかなりいる(参照)。それで、我が家の周辺ではまともに左側通行する自転車よりも、逆走して車に向かってくる自転車の方が圧倒的に多い。
振り込め詐欺にひっかかっても金を失うだけで済むが、闇夜に無灯火の自転車で右側車線を逆走するのは、命に関わる問題である。しかしいくら命に関わる情報でも、届かないところには絶対に届かない。。
だから、「高齢者はもちを詰まらせやすいので、小さく切って、あわてずにゆっくりと食べましょう」なんていう情報をいくら流しても、平気でわしわし食って、「うっ!」てなことになる人が後を絶たない。年寄りでも食べやすいもちやその代用食なんてものを売り出しても、肝心な高齢者やその周囲の人までその情報が届きにくい。
こればかりはもう、どうしようもない。だから NHK も、最初に触れた記事のタイトルで「必ず起きる」と言っている。
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