吾妻山の思い出など
山形・福島県境の吾妻山で、火山性地震が急増しているという。その近くの蔵王山でも火山活動の活発化で、5月に予定されていた自転車レース「日本の蔵王ヒルクライム・エコ2015」が中止されたというし、御嶽山や阿蘇山、浅間山、桜島ばかりでなく、日本全体で火山活動が活発化しているような印象だ。
吾妻山といえば、この火山群の中には東北では我が郷土の鳥海山に次ぐ 2000メートル峰の西吾妻山がある。独立峰ではないのであまり目立たないが、山塊全体としてみればなかなか魅力的なところだ。私は車で里帰りする時、時間に余裕があれば福島で東北自動車道を降りて国道 13号線を辿り、米沢まで景色を楽しみながら走ることがある。
東北という所はなにしろ山懐が深いので、自然の中に分け入ると、都市生活との隔絶がとても心地良い。街から抜けて少し行けば「山里の観光地」みたいな風情になり、そこから少し走ればまた街になってしまうという関東とは、全然かけ離れた感覚がある。
吾妻山の火山群の中に車で行ける浄土平というところがあり、そこから吾妻小富士(標高 1707m)という山までは、10分ぐらいで登れる。こちらのサイトに写真が紹介されているが、とても綺麗で雄大な眺めが楽しめる。20年以上前、犬 1匹、猫 2匹を含む家族旅行で、ここに立ち寄ったことがある。
吾妻小富士は大きな火口の縁を巡る 1周 400m のコースが有名で、犬とともにこのコースを巡った。帰ってきてからも、うちの犬には「1700m 以上の高度を経験した犬は、この辺ではお前以外にいないだろうから、誇っていいぞ!」と声をかけていたものである。
この犬もだいぶ前に死んでしまったが、一緒に行った日本各地の自然の中でも、あの火口を巡ったコースは今でも懐かしく思い出される。私ももう還暦を過ぎて、昔のようなハードな山登りはできないと諦めかけていたが、最近自転車に乗り始めて体力が戻ってきたので、またちょっとした山登りならしてみたいと思うようになった。
今回の火山活動で、あの吾妻小富士の噴火口から再び溶岩が吹き上がるなんてことはないだろうが、既にだいぶ前から一切経山付近からは噴煙が立ち上っているようでもあり、ちょっと心配である。日本はとにかく、北から南まで火山の連なりみたいなところなのだから、警戒と覚悟だけは常にしておく方がいい。
自然を楽しむことと、自然を畏れ敬うことは、矛盾しない。同じ心根から発するものである。
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