パワースポットの御利益
日本三大パワースポットというのがあって、それはいつ誰が決めたのか知らないが、石川県珠洲市の「聖域の岬 」、「富士山」、長野県伊那市の「分杭峠」ということになっている。中でも、「ゼロ磁場」で知られる分杭峠のパワーは強烈なものであるらしい。
何だかよくわからないが近年はパワースポット流行りで、パワースポット巡りが好きなんていう若い女の子も多い。で、パワースポットって、どんなのかというと、そこはそれ、古くからの神社仏閣というのが定番のようなのだ。
そうなると、私なんかは昔から神社仏閣好きで、出張を含めて旅行に出ると、時間の許す限り地元の神社仏閣をお参りすることにしている。こんなことを長年続けているのだから、相当に御利益があって、パワーに満ちあふれていてもいいはずなのだが、どうもそんな気もしない。ただ淡々とその日その日を生きているというだけである。
淡々とその日その日を生きていられるということこそが、パワースポットの御利益なのだと言われればその通りなのかもしれないが、まあ、何だかよくわからない。
ところで「パワースポット」(power spot)というのは和製英語であるというのが、一般的な定説である。Wikipedia の「パワースポット」の項目には、「用出典」との注釈付きながら、"「power spotは和製英語である為、海外では通用しない」と言った人がいる" との記述がある。
AllAbout で紫月智子という人が書いた「パワースポットって何? 導かれ方と心構え」という記事では、「パワースポットという言葉は、実は和製英語です。この言葉を初めて使ったのは、スプーン曲げ少年として有名になった、日本を代表する超能力者の清田益章氏でした」と、明確に断言されている。
だが私としては、「だから、AllAbout の記事って、眉唾ばっかりと言いたくなるんだよなあ」と言わざるを得ない。"Power spots” ("power places" ということもある) という言葉は、ネイティブ・アメリカン関連の英語の記事なんかを読んでいると、案外良く出てくる言葉である。嘘だと思うなら、ググってみた結果をご覧いただきたい。(参照)
私としてはパワースポットというのは、そこを訪れて御利益を頂戴するというより、「この土地に来させていただいてありがとう」と感謝するための窓口みたいな場所だと思っている。一体誰に感謝するのかと訊ねられれば、それは 「神仏に感謝する」 のだとしか答えようがない。
つまり、パワースポットと呼ばれるほどの素敵な場所を訪ねることができたというのが、既に「御利益そのもの」なのだね、きっと。
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コメント
訪れた人が「ああ、ここは気持ちがいいなぁ」と思えば、
それがその人なりのパワースポットでいいと思っています。
そもそも他者から与えられるつもりで訪問することが
卑しいというか見当違いな気はするのですが、
当のパワースポットが流行するということは、やはり
「みんなを魅了するそれなりのパワー」が
あるのかもしれないなぁと勝手に納得してみたり。
ちなみに私はアマノジャクなので
人がすすめてくるスポットには行きません(^^。
投稿: るー | 2015年2月19日 12:35
るー さん:
>訪れた人が「ああ、ここは気持ちがいいなぁ」と思えば、
>それがその人なりのパワースポットでいいと思っています。
まさに。
広大な宇宙視点で考えてみれば、この地球という惑星が奇跡的なパワースポットともいえるので、人間がスポイルしさえしなければ、世界中がパワースポットなんでしょうね。
その中で、自分がパワーを感じる場所が、自分なりのパワースポットなのでしょう。
投稿: tak | 2015年2月19日 13:04