あの日、Twitter に「くじら」は出なかったが
@IT というサイトに 「変化するリーダーの資質: あの日、Twitter のくじらが出なかったもう1つの理由」という記事がある。1年以上前の記事だが、私は今日初めて知った。4年前の 3月 11日、日本中で Twitter にアクセスが殺到したはずなのに、あの有名な「くじら」が登場しなかったということについての記事である。
「くじら」とは、Twitter にアクセスが殺到し、サーバーが処理しきれなくなった時に画面に登場する画像である。「もうちょっと時間が経ってから、もう一度アクセスしてみてね」といったようなメッセージとともに、くじらの絵が現れるのだ。そういえばあの震災直後、Twitter で情報収集と発信をしまくったように記憶するが、確かに「くじら」を見たという印象はない。
震災の発生は、米国時間では木曜日の夜だった。日本で起こった地震をニュースを知った Twitter のエンジニアは、「日本時間の土日に大量のアクセスがあり、Twitter がダウンしてしまったら、二次被害につながる可能性がある」と直観し、翌週にセットアップする予定だったサーバーをすぐにラックに入れて、日本向けのサーバー容量を 3倍に増やしたのだそうだ。
これは誰に指示されたわけでもなく、独自の判断だったという。彼はいつも上司に「上からの命令で動くのではなく、自分自身の判断で行動しなさい」と言われていたので、その通りに実行しただけと語っているのだ。この適切な判断による行動のおかげで、日本では電話回線がパンクしていたのに、Twitter を通じて情報交換ができた。Good job 以上の、excellent job である。
このエピソードを紹介した元日本マイクロソフト会長の古川享氏は、このエンジニアの上司のようなタイプが、新しい時代のリーダー像だと指摘している。なるほどね。ただ日本の管理職の多くは、普段は「自分で考えて行動しろ」と言っていても、それが不幸にして失敗に終わったりすると、「お前が勝手なことをするからだ」と部下を責め、責任を押しつけたがる。そして成功すると今度は自分の手柄にしたがる。
これでは、自分で考えて行動する部下なんて育たないよね。
それからこの記事の最後にある古川氏のコメントが、私にはビミョーにしっくりこない。彼は次のように言っている
「自分が死んだとき、せっかくだったら、代わりに誰かがいるような存在ではなくて、(自ら行動を起こして)社会に変化をもたらした人だと認識してもらいたいよね。残りの人生、そういう証を残せるように、一生をささげるのがいいよね」
私は別に気張らなくても、自分が「代わりに誰かいるような存在」だなんて一度も思ったことがないし、だからといって「社会に変化をもたらした人だと認識してもらいたい」なんて思ったこともない。私の感覚では、自分に対する周囲の認識まで思い通りにしたいなんていうのは、ちょっとゴーマンだと思うがなあ。
私はむしろ、自分の適切な判断で Twitter に「くじら」が出るのを防いでおきながら、「ボスの教えに従っただけ」と、半分は上司の手柄として語ったエンジニアの人間性を高く評価したいと思っているのだよ。
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コメント
tak-shonaiさんごきげんよう~おはようございます~
tak-shonaiさんのこの記事
すばらしい~~~~~っっっっ!!!!!
私もそんな自然体でノーマルな感じ方のできる人間になりたいです!!!
すてきです!!
投稿: 朱鷺子 | 2015年3月13日 07:47
tokiko さん:
あの地震を、遠く離れた異国のことと思わずに、同じ地球上でつながった人たちのことと考えてくれたエンジニアの感性を、素晴らしいと思うのですよね。
投稿: tak | 2015年3月13日 11:08
確かに「上司に言われたとおりにやっただけだ」という意味もあるわけで、このエンジニアはなんというか「粋」ですね。
古川氏の「歯車になりたくない」というのは分かるのですが、ひとたび「変化をもたらし」たら、あとは自分がいなくなっても代わりがいて支障なく進んでいくようにしておくのがリーダーたるものの責務(?)だという気もします。
投稿: 山辺響 | 2015年3月13日 18:00
山辺響さん:
リーダーは自分の代わりになる人を作るべきというのはq、鋭い指摘ですね。
投稿: tak | 2015年3月13日 23:43