首相官邸に落下したドローンと、田舎の旧家に入った泥棒
高校時代の同級生が嫁に行った先が田舎の旧家で、広大な敷地を囲む塀に沿って歩いて廻るだけで結構な散歩になるらしい。さらにやたらと大きな土蔵があり、この土蔵が泥棒に破られて中のお宝を盗まれたことに、半月も経ってから気付いたという。
こんな話を思い出したのは、例の首相官邸の屋上に放射性物質入りのドローンが落下していた件で、犯人らしき男が自首したというニュースからだ。この男は「ゲリラブログ参」というブログを書いていて、そこに今回のドローン落下事件の詳細も書いているというので、行ってみたら、確かにその通りだった。
このブログの 4月 12日付の記事に、今回のドローン事件の犯行について詳細が書いてある。それによると、4月 7日に小浜を出発し、9日夜明け前に首相官邸に向けてドローンを飛ばしたことになっている。前庭に落とそうとしたが、真っ暗で操縦不能になり、どうなったかわからないまま現場を離れたことになっている。帰宅後にニュースを見ても何の報道もないので拍子抜けしたらしいことも窺われる。
そして 22日付の記事で、ようやくドローンが発見されたとのニュースを確認、「遅せーよ職員!てゆーか警備員じゃないのか・・・2週間放置て・・・」と書いている。まあ、確かに首相官邸の警備って間が抜けている。高校時代の同級生が嫁に行った先の旧家並の呑気さだ。本当に、こんなんで大丈夫なのかしらん。
それから、この犯人は「反原発を訴えるため官邸にドローンを飛ばした」と供述しているらしいが、その意図は当然ながら全然達成されていない。こんなような自分勝手な思い込みというのが、この類いの連中の共通点と言えそうな気がする。
ブログでこんな物騒なことを書いていたら、すぐに話題になって逮捕されていても不思議ではないのに、当人が自首して初めてブログが話題になっている。いかに読者が少なかったかが窺われる。とにかく行ってみればわかるが、読者の読みやすさなんて少しも考慮されていない。本当に読みにくいデザインなのである。このあたりにも、自分勝手さを感じてしまうなあ。
【追記】
この男は出頭を決意するまでブログを非公開にしていた形跡があるらしい。道理でね。
| 固定リンク
「世間話」カテゴリの記事
- あおり運転されたら、すぐに停まって先に行かせてしまう(2025.02.14)
- マンガに出てきた「空き地+土管」の景色を巡る冒険(2025.02.04)
- 「通常を逸脱する量を食うな」という注意書きの裏事情(2025.01.28)
- 「ふてほど」には、「ふてくされるにもほどがある」かも(2024.12.02)
- 「透析しないと死ぬ」は「透析しないと死ぬ」という意味(2024.11.26)
コメント
>反原発を訴えるため
私も基本的には「脱原発推進」を切に願っているのですが、この犯人の行為は迷惑でしかありません。原発推進派の人たちに、「反原発」を訴える人たちを全て同じ輩として叩く恰好な口実を与えかねないし、何より、このような愚かな行為で世論や政策を「脱原発」に導けるはずがありません。
というか、この犯人の目的は真剣に「反原発」を訴えるというより、それにひっかけてヒーロー気分を味わいたかったというのが本音としか思えません。
けれども、この行為が「官邸の能天気ぶり」を暴いてくれたことも確かです。これに懲りて、もっと危機管理を真剣に考えてもらいたいものです。お役人たちの怠慢で重大な危機が起こった時、一番被害を被るのはいつも一般国民ですから。
投稿: KRT | 2015年4月27日 11:15
KRT さん:
概ねおっしゃる通りです。
ただ、一つ
>お役人たちの怠慢で重大な危機が起こった時、一番被害を被るのはいつも一般国民ですから。
お役人が怠慢でも、重大な危機につながらないことも多いので、何を称して怠慢というのか、そのあたりはビミョーですね。
投稿: tak | 2015年4月27日 21:22
非公開にしていたにしても、日本には、スノーデン氏が明らかにしたPRISM的なものがないことが明らかになったということで、まあ、プライバシーを詮索しない政府を喜ぶべきか、呑気なことに呆れるべきなのか、微妙です。。。
投稿: TJ | 2015年5月 6日 23:50
TJ さん:
今回の事件を機に、非公開のブログや SNS までしらみつぶしにロボットがやってくることになってしまうかも ^^;)
投稿: tak | 2015年5月 8日 06:53