もうすぐ 「立夏」
二十四節気でいうと、今は「穀雨」という時節である。江戸時代に出版された『こよみ便覧』によると、「春雨降りて百穀を生化すれば也」とある。「こよみのページ」によると、「田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降る頃。この頃より変りやすい春の天気も安定し日差しも強まる」とされている。
確かにその通りで、今年の連休はとくに天気が安定するそうである。そしていよいよ、5月 6日は「立夏」となる。もっとも、立春から急に春らしくなるわけではないのと同様、立夏も 「夏の気が立ち始める頃、若葉の季節」 とされていて、いきなり夏らしい季節になるというわけではない。「初夏」という言葉がよく似合う頃だ。
しかしどちらかというと、既にこの 2〜3日は「初夏」と言ってもいいような天候である。昨日などは北海道の帯広で 30度の真夏日を記録したし、「一体、どうなってるの?」と言いたくなるような雲行きだ。「最近は天気が極端」とは何度も書いてきたが、もう「従来の極端が、今の常態」ということなのかもしれない。
はっきりしているのは、春から夏への変化は急にどっとくるということである。逆に、夏から秋への変化はなかなかわかりづらい。残暑が続いて「秋はまだか」と、長らくふうふう言い続けるうちに、ようやく秋の風が吹き始める。
地球温暖化ということだから、暑い季節がしつこく居座るのも当然と思っていると、必ずしもそういうわけではなく、秋は短くて、いきなり冬になる。そして冬もなかなかしつこく、震えながら「春はまだか」と心待ちにし続けて、やっとの思いで春めいてくる。今月だって初旬まではやたら肌寒く、桜が咲いてから雪が降ったりした。
思えば今月初めまではずっと「初春」で、「まだまだ寒いね」と震えていたのである。先月、一時的に暖かくなって「今年の春は早いかも」なんて思ったが、「寒の戻り」がやたら強力で、今月半ばを過ぎてようやく本格的に春っぽくなった。
そして、いきなり「初夏」である。本当に春と秋は短い。昨年の秋が昨今珍しいほどに、しみじみと長かった(参照)のは、造化の特別ギフトみたいなものだったのかもしれない。
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