ことさら大きな文字よりも、十分な行間がありがたい
還暦を過ぎるといよいよ老眼が進んできて、近くの小さな文字が読みづらい。眼鏡をかけても、なんだか誂えた時よりも老眼の度が進んだみたいで、なかなかうまく焦点が合わず、しかも一日の終わりに近付くにつれて目の疲労度が増し、ますます視界がぼんやりする。周囲の友人・知人の多くも、似たようなことでこぼしている。
というわけで、世の中では印刷物や Web の文字を大きくすることが求められる。少子高齢化で年寄りが増えているので、これはかなり緊急の要請だ。新聞の文字だって、今世紀に入ってから際立って大きくなっている。
新聞の文字は、昭和 26年頃からしばらくは 15段組で 1段 15文字だった。12段組で 1段 12文字が標準となった今からみると、かなり小さい。新聞各社は、この文字サイズの拡大によって「読みやすさ」が増したとしている。確かに昔の小さな字と比べれば、読んでいて目が疲れてどうしようもなくなるなんてことはなくなった。
しかし文字サイズに関しては、むやみに大きくすればいいというものでもない。私としては、文字を大きくするよりも十分な行間をとってくれる方がありがたい。

例えばこの写真、私が住んでいる自治体の 「議会便り」 という広報紙のページである。市議会で討議・決議されたことが、項目ごとに説明してあるのだが、なにしろ読みにくい。
高齢者を意識してのことだろうが、フォントは十分に大きく取ってあるので、「字が細かすぎて読めない」ということはない。しかしぱっと見たところ、「空間が少なく、文字ばかりがびっしり並んでいる」という印象で、初めから目がウロウロしてしまうのである。
「フォントが読めるぐらいに大きい」ということは必要条件だが、決して十分条件ではない。むしろフォントを大きく取ったために、十分な行間が確保されず、「黒くべったりした見た目」 になって、読もうという気にすらなれないことが多いのである。
フォントサイズは必要最小限に抑えても、行間を十分に取る方が読みやすいことの方が多い。とくに 1行が長くて行間が狭いと、行末から次の行に移る際に、わけがわからなくなってしまう。このことが理解できないと、無闇に大きなフォントで、しかも太文字にしてますます「黒くべったりした見た目」にして、読みにくいものにしてしまうというケースが多い。
いくら高齢者でも老眼鏡をかけて読むことが多いのだから、ことさらに大きなフォントは必要ない。文字を必要以上に大きくしたために行間がびっしり詰まり、視線の移動がスムーズに行かないと、それだけで読みにくくなり、読み続けるのが嫌になる。
広報紙などの編集にあたっては、このことをきちんと知っておいてもらいたいと思うのである。
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コメント
役所や保険会社などの情報提供は、できるだけ読みづらくするというのが基本です。意図してそうしているのではないですか。
投稿: えり | 2015年4月27日 18:31
えり さん:
な、なるほど ^^;)
下手にじっくり読み込まれて、イタい指摘なんぞがあったら面倒ですもんね。
投稿: tak | 2015年4月27日 21:28
あっしは瓦版の誤字脱字を見張って飯を喰ってるんでげすが、ありゃありゃ、これはひどい。
文字が大きくてもここまで読みにくくできる(苦笑)、みたいな。
税金使って、こんな読みにくい物を作られちゃねぇ。
おそらく、「なるべく文字は大きく」てな方針があってのことでしょうが、こんなに行間がキチキチじゃかないやせんやね。
法律で「行間は文字の大きさの何%以上でなくてはならない」みてぇな決まりを作ってほしいもんでげすな(≧ω≦)
投稿: 萩原下衆兵衛 | 2015年4月28日 11:25
萩原下衆兵衛 さん:
>法律で「行間は文字の大きさの何%以上でなくてはならない」みてぇな決まりを作ってほしいもんでげすな(≧ω≦)
賛成! 大賛成です (^o^)
投稿: tak | 2015年4月28日 20:40