全線復旧開通した常磐道を走ってきた
今日ちょっとした用があって、仙台にある妻の実家を 2人で日帰り訪問した。経路は、先月に全線復旧開通した常磐自動車道を利用した。
この常磐道の復旧開通に当たっては、一部区間の放射線量がやたら高いというのが話題になっていた。放射線量の高い区間にはところどころにモニタリングポストが立てられ、時間当たりの放射線量がリアルタイムで表示されることになっている。先月の開通時は、放射線量が 5.5μSv/h (マイクロシーベルト・パー・アワー) に達している区間があるとして、あちこちのサイトで不安の声が上がっていた。
というわけで、ちょっと心臓の辺りがザワザワする感覚を覚えながらも、放射線量の高い区間に夫婦で突入したのである。しかも 1日のうちに往復したのだがら、その被曝量は短時間に 2倍になる。心理的抵抗はあるが、とにかくチャチャっと日帰りするために、最も短時間で行って来れる常磐道を通ることに決めたのである。
筑波の地から常磐道に乗り、初めは片道 3車線だが、水戸を過ぎると 2車線になる。そしていわき中央を過ぎると片道 1車線の対面通行区間になり、さらに進んで行くと、例のモニタリングポストが登場する。
初めのうちは、0.2μSv/h ぐらいの数値だ。これなら大したことはなかろうと思うが、東日本大震災直後は、地元でたまにこんな数字が出たりすると、本当にゾクゾクする感じがした。洗濯物などは、できるだけさっさと取り込むようにするなど、かなり気を遣っていたものである。
さらに進むと、2.3μSv/h なんていう数字が表示されている。ちょっと進んだだけで、一挙に 10倍以上の数値だ。「やな感じだなあ」 と心の中でつぶやき、「できるだけサクサク通り過ぎよう」 と、妻と言葉を交わす。ほかに余計なことは言う気にもならない。
そして、ついに出た。双葉町付近に設置されたモニタリングポストには、5.4μSv/h という数字が表示されている。
先月のニュースで伝えられた 5.5 μSv/h よりは、やや下がっている。しかしつい先日、知人が通行した時には 4.6μSv/h が最高値だったと言っていたから、どうやら短期間のうちにずいぶん増えたり減ったりするようなのだ。
ちなみに 3μSv/h 以上の放射線量を、1年間浴び続けると、放射線作業者が 1年間で平均的に浴びても良いとされている放射線量 20mSv/y (ミリシーベルト・パー・イヤー) を越え、放射線被曝が原因のガンによる死亡率が、計算上では 10万人中数十人の割合で増加すると言われている。
ということは、時間当たりの数値がより高い 5.4 μSvという状態でも、ほんの短時間に通過する程度では、人体への影響は小さい。レントゲン写真を撮るより大丈夫なのだろう。だから大げさに死ぬの生きるのと騒ぎ立てるつもりはないが、やはり気持ちの上ではあまりいいものではない。
そもそも、この付近は今でも住民がよそに避難したままになっている。この事態をどうしてくれるんだということになる。私の反原発の意識は変わらない。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- くるまったまま腕を出してスマホを眺められる毛布(2024.10.06)
- 「カフェでお仕事」・・・ ムチャクチャな長居は禁物(2024.09.26)
- 乗務員の水分補給にクレームを入れるやつ(2024.09.21)
- エアコンって、もはや「必需品」なのだね(2024.09.05)
- 日本人の「酒離れ」を、ちょっとだけ深読み(2024.08.28)
コメント