自分のアドレスではない宛先のスパムメールが届く
近頃、立て続けに「特別催告状」 というタイトルのスパムメールが届いた。中身を下にコピペしておくが、こんなメールを受け取って困っている人の検索の便宜のためで、別に詳しく読んでもらわなくても構わない。
件名: 特別催告状[最終通告]No.00094
【最終通告のお知らせ】
平素より格別のお引き立て、誠にありがとうございます。
さて、この度最後通告としてご連絡させていただきましたのは、2014年2月12日に貴方様がご利用になられました下記コンテンツのご利用料金のお支払いが未だお支払いいただけておりません。
え
当方につきましては、再三のご請求のご連絡をさせていただきましたが、一向にご連絡が頂けないため、今回ご利用履歴を元に民事訴訟にてご請求の場を設けるに至りました。
しかしながら訴訟にての決着にはさらに貴方様に裁判費用等の費用がかかりますため、最後通告としてご連絡をさせていただいております。また、ご請求内容は下記のとおりです。
・ご利用日時
2014年2月12日 午前0時12分〜
・ご請求額内訳
ご利用料金 385000円
延滞利息金 53900円 年利14%
消費税 21945円
合計ご請求額 460845円※只今、訴訟手続き中につき原則即日のお支払いをお願いしております。また連絡なき場合、意思がなくともお客様の不利に働くことがございますのでご了承ください。
裁判所より初回公判日の案内が届き次第、和解には応じかねますのでご了承ください。そのままにしておりますと訴訟の手続きは進みますので一日でもはやいご連絡をお勧めいたします。
ワールドマネーネット株式会社 (以下略)
まだこんなのに引っかかって、お金を払ってしまう人がいるのかと思うと、不憫である。こんなのは即刻削除して、あとは何にもしなくていい。本当の督促状だったら、こんなメール 1本で舞い込んだりせず、内容証明郵便で送付される。そもそも「最終通告のお知らせ」なんて日本語からして、「眼球の目玉」と言ってるみたいなもので、お馬鹿すぎる。
ちなみにこの種のスパムメールの宛先をみると、自分のアドレスではないが、よく似た文字列のアドレスが表示されていたりする。私に届いたメールもそうだった。それで、「よく似たメルアドに送ったメールが、紛れで届いてしまうなんてことがあるのだろうか?」と、疑心暗鬼になったりする人もいる。
これは、自分のアドレスが BCC として設定されているということのようだ。宛先に表示されているのはたった 1つのアドレスだが、BCC(Bllnd Carbon Copy)欄に多数のアドレスを記入しておけば、同じ内容のメールを宛先表示なしにどさっと多くの人に送れる。
BCC の健全な利用法としては、例えば PC から誰かにメールを送る際に、自分のケータイ・アドレスを BCC 欄に入れて送付すると、ケータイで受信したメールを出先でも「控え」として利用できるなんてことがある。本来の宛先として送った相手には、あなたが自分宛にも同じメールを送っていることは表示されない。
スパムメールを発信している業者は、テキトーなメルアドを手当たり次第に自動生成して、この BCC 欄に入力しているのだと思われる。宛先として表示されたメルアドが、自分のアドレスとよく似たものになっているのは、BCC 欄にそのバリエーションがずらっと入力されたということなのだろう。そのバリエーションの 1つが、たまたま自分のメルアドと一致すると、受信されてしまうというわけだ。
BCC を使って一度に多数宛に送っているのは、そうでもしないと自動生成されたメルアド全てに個別に送付することになり、いくら自動処理とはいえ、とんでもない手間になってしまうからだろう。そしてもしあ BCC 欄ではなく、宛先や CC 欄に入れてしまったら、届いた時にそれらが全て表示され、同じメールを手当たり次第に送っていることがバレバレになる。
それでも身に覚えがあるのか、ヒヤヒヤしている人もいるようなので、それならスパムメールの冒頭にある 「件名: 特別催告状[最終通告]No.00094」 というキーワードでググってみればいい。腐るほどヒットする。まともな催告状なら、「00094」 という同じナンバーのものが、そんなにたくさん出回っているはずがない。
宛先に表示されたアドレスが自分のものでないということは、自分のアドレスはテキトーに自動生成さて BCC に入れられたものとたまたま一致しただけで、悪徳業者が自分のアドレスを知っているというわけではないと考えていい。ということは、少し安心していいわけだ。
だからこんなメールが届いたら放っておくのが一番で、下手に返信して抗議したりすると、自分のアドレスが悪徳業者に確実に知られることとなり、闇リストに入って売買され、ますますスパムが増えてしまうだろう。
まったくもって難儀な世の中である。
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