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2015年5月29日

口之永良部島の噴火から、横道に逸れて

口之永良部島の新岳が爆発的に噴火したというので、驚いた。噴火自体は珍しいことではないが、地震やら噴火やらがこうまで続くと、日本列島の地殻は活動期に入っているのかしらんと、心配になる。私ごときが心配しても何の役にも立たないが、やはり気にかかる。

ところで、台風情報などによく登場するので、知る人ぞ知る印象的な名前の島に、沖永良部島(おきのえらぶじま)がある。私は口之永良部島と沖永良部島は隣同士ぐらいの位置関係で、薩摩から見て近い方が「口」で、遠い方が「沖」ぐらいのことかと思っていたが、調べてみると結構離れているとわかった。ざっと見て 400km ぐらい距離があるので、そんなに単純な話でもなさそうなのである。

口之永良部島は内地の鹿児島からそう離れておらず、硫黄島のすぐ南に、東から種子島、屋久島、口之永良部島と 3つ並び、これらは大隅諸島と呼ばれている。一方、沖永良部島はそこから転々と連なるトカラ列島(中では諏訪之瀬島が有名だね)を経て、奄美大島、徳之島の南、沖縄返還前は日本の最南端とされていた与論島のすぐ北にある。

口之永良部島は地図上で見てもいかにも鹿児島県の島という気がするが、沖永良部島はその遙か南で奄美群島に属し、同じ鹿児島県ではあるが、位置的には沖縄にずっと近い。13〜15世紀は、琉球の北山王国(沖縄本当の北側を支配して、あの今帰仁城を造った王様の国)に属していたと、Wikipedia には記されている。となると、2つの島は兄弟関係みたいなわけではないらしい。

で、気になるのがそのまた遙か南、沖縄本島を飛び越して宮古島の隣にある伊良部島(いらぶじま)である。琉球では「イ」と「エ」は、東北のそれとはまたちょっと違うがごちゃ混ぜになる傾向があるので、「エラブ」も「イラブ」も同じ語源なのではないかという気がする。ただ、そんな「気がする」人はいくらでもいて、ウェブの世界でも盛んに関連が指摘されているが、決定的な語源はわかっていない。

沖縄では有毒のウミヘビを「イラブー」といい、少なくとも伊良部島はそれと関連があるという説がある。また、「イラ」というのは「甍(いらか)」という言葉でもわかるように、急な斜面を指す。「いらいらする」というのも、不安定な心持ちを指すから共通する。「急な斜面の島」ということなのかもしれないが、口之永良部島は火山島だからいいけれど、沖永良部島は珊瑚礁が隆起した島なので、そんなに急な地形ではない。

まあ、よくわからないのである。わからないのではあるが、鹿児島から先島諸島に至るまでの文化のつながりというのは、かなり密接なものだということはうかがわれる。ああ、また沖縄に行きたいなあ。

口之永良部島が噴火で大変なことになっているというのに、呑気なことを書いてしまって、ごめん。

 

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