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2015年5月13日

「後方支援」 に関する共産党志井委員長の tweet のお粗末

私は政府主導の「後方支援」を主眼とした新たな安全保障法制に、両手を挙げて賛成するものではない。しかしこれに反対する日本共産党の志位和夫委員長の tweet を見かけたところ、あまりにもお粗末なので、いくら何でもちょっと批判しておかなければ気持ち悪い。

彼はこのように tweet している (参照)。

政府のいう「後方支援」は、世界では「兵站」(ロジスティックス)という。新「ガイドライン」も、和文は「後方支援」だが、英文は全て「Logistic」。なぜ素直に「兵站」と訳さない?「兵站」と訳すと武力行使と一体とみなされるからか?「兵站」に後方も前方もない。ごまかしてはいけません!

順を追って批判しよう。まず、政府のいう「後方支援」 を、本当に「世界では『兵站』(ロジスティックス)という」 のかという問題だが、 言うも言わないも、あまりにもナンセンスな命題である。

ちょっと考えれば当然のことだが、「世界」は「兵站」なんて言わない。そういうのは、多分日本と、あとは中国がもしかして同じ漢字を使って表現するかもしれないが、韓国でどう言うかは知らない。そして他の国では、「兵站」(ロジスティックス)なんて言わない。そんなことを指摘するのさえおこがましいほどの、当たり前すぎる話である。

ちなみに "logistic" という言葉、小さな事だが、戦争時の食料や兵器の供給という意味で使う場合は、普通は単数形である。だから複数形で  「ロジスティックス」とは言わない。複数形で言うと、広い意味の「物資輸送」とか 「物流」とかいう意味になる。志井委員長がみずから tweet しているように、英文はすべて "logistic" となっているよね。だったらカタカナも、せめて「ロジスティック」と表記してほしかった。

そして、「兵站」というのは "logistic" の訳語ではあるが、それが訳語として唯一の正解というわけではない。時と場合によって適切な訳語は使い分けられるのが当たり前のことである。

「なぜ素直に『兵站』と訳さない? 『兵站』と訳すと武力行使と一体とみなされるからか?」と言っているが、「兵站」という言葉は必ずしも一般的な言葉ではないので、知らない人には意味がわかりづらい。より具体的で分かりやすい「後方支援」という言葉を使って、一体何が悪いのかということになる。別にごまかしているわけではないだろう。

そして最もナンセンスなのが、「『兵站』に後方も前方もない。ごまかしてはいけません!」という最後の結びである。そんなことをマジで言ったら笑われる。物資の補給は後方からするのが当たり前で、前方からはあり得ない。物資補給をするのに、わざわざ戦闘を展開している部隊の前方(つまり、戦闘の真っ只中)に回り込む馬鹿が、どこにいるというのか。

志井委員長、自分が何を言っているのかわからないで、単に雰囲気だけで発言しているとしか思われない。こんなことでは、政府方針への反対論はおしなべてこんなような低レベルだと思われてしまいかねない。これがどうでもいい「なりすましアカウント」の発言だったら、どんなに安心するだろう。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

『兵站』 に後方も前方もない…ええっと自民党員からの政治献金も受け付けていますのでつい…

投稿: 通りすがり(なりすまし) | 2015年5月13日 14:37

通りすがり(なりすまし) さん:

座布団 5枚 (^o^)

投稿: tak | 2015年5月13日 16:15

そういえば昔、郵政民営化選挙の時に共産党の吉井英勝候補は河内松原の駅前で「民営化されたら小さな郵便局はみんな廃止されます。この松原駅前の郵便局もなくなります!」と大声で演説してました。私は「ここはなくなれへんやろ」と心の中であきれてました。

投稿: 江草乗 | 2015年5月14日 06:21

江草乗 さん:

あの人たち、科学的共産主義にしては、エモーショナルですよね。

投稿: tak | 2015年5月17日 22:32

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