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2015年6月 8日

クールビズとノーネクタイ

もう 10年以上前からやっていることになるらしいが、「クールビズ」という取り組みが、ようやくそれほど大きな掛け声で推進しなくても、近頃少しは定着しているんじゃないかと感じる。テレビに登場するキャスターなどのノーネクタイ姿が、まったく当たり前になったし、時々顔を出すオフィスをみても、ネクタイをしていない人の方が多い。

もっとも昨今のクールビズは、「涼しい格好で省エネする」という本来の目的よりも、「堅苦しいネクタイから解放されるための口実」みたいなところがある。その証拠に、ネクタイを外してもエアコンの設定温度を高めにするというオフィスは、とても少ない。相変わらずキンキンに冷やして、女子社員がカーディガンと膝掛けで防寒対策している。

私なんかは比較的自由な雰囲気の職場ばかり渡り歩いたという幸運さもあるが、「クールビズ」なんてことの言われ始める 20年も前から、夏だけでなく 1年中ネクタイなんて締めなかった。時々はどうしても必要になることもあるので、バッグの中にシワになりにくい安物のポリエステル素材のネクタイを忍ばせてはいたが、それも滅多に使わなかった。

とはいえどうしてもネクタイをしないと気が済まない人も中にはいるようで、そういう人は頑固にスーツにネクタイ姿を死守している。いわゆる営業職の男性社員も自発的ではないようだが、同様の格好だ。

以前いわゆるサラリーマンをしていた頃、いつも訪問してくる営業が、夏の暑い盛りになると、スーツにネクタイ姿で、真っ赤に上気した顔で頭から湯気を立てる勢いでやってきた。それを見ると、私は「頼むから、もう少し涼しげな格好で来てくれないか」と声をかけていたものである。

彼らは「いえいえ、そんな格好では失礼ですから」 なんて言うのだが、「ノーネクタイが失礼」だなどいうのは、向こうの勝手な思い込みに過ぎない。私は「失礼もへったくれもなく、あんたの汗だらけの顔を見るだけで、こっちまで暑苦しくなってしまうから、ウチに来る時はノーネクタイの方がありがたい」と言っていた。

夏でもスーツにネクタイ姿がなくならないのは、「ネクタイさえしていれば許される」と思っているタイプの人が、ほとんど免罪符のような意識で締めている結果なのだ。何を許してもらいたがっているのかは知らないが。

私の個人的な思い込みでは、仕事帰りの飲み会で酔っ払って、よりグダグダにだらしなくなってしまうのは、いつもネクタイしているタイプの人に多い。もしかしたら彼らは、あんなにグダグダになっても、ネクタイさえしていれば許されると思っているのかもしれない。

 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

真夏にスーツ着てネクタイして、顔から汗だけでなく脇の下を汗でびっしょり濡らしてる男がいました。気持ち悪かった。周囲は引いてました。

でも、その男の上司は ネクタイ着用=礼儀正しい を盲信してる人でした。かわいそうに。

投稿: ハマッコー | 2015年6月 9日 00:48

ハマッコー さん:

努力することは、確かに尊い。
しかし、努力=苦行 と勘違いして、しんどい思いをすることが尊いと思い込む風潮があります。

しかも成果とは無関係に、しんどい思いさえしていれば、それは尊いことと評価される風潮も、日本の企業社会にはあります。

残業することが尊いわけではないのに、さっさと仕事を終えて定時に帰宅すると、いつまでも残業する能率の悪いやつより評価が低くなるということすら、今でもあるようです。

くそ暑いのに、スーツにネクタイで汗ダラダラだと、涼しい格好で効率よく仕事をする者よりも評価されるということも、あるのでしょうね。

投稿: tak | 2015年6月 9日 03:13

半袖開襟シャツ全般オッケーにならないかなぁ。
アロハっぽいシャツなら、結構持ってまんねんけどな。
かりゆしは、高級すぎて持ってない。

温暖化で気温高くなってきてるのだから、気温なりの地域の着衣を、もっと柔軟に取り入れるべし。

投稿: 乙痴庵 | 2015年6月10日 18:53

乙痴庵 さん:

葬式でも黒のかりゆしで OK という沖縄が、うらやましいですね。

こんなにまで温暖化してしまうと、1年のうち 5月から 10月までの半年間は、クールビスという名のカジュアル・スタイルで行きたいと想うんですがね。

残り半年は、シャツ、ジャケットに、寒かったらセーターを加えるとか。外出時はダウンウェアを駆使して、電車の暖房は控えめにしてもらいたいものです。
(眼鏡が曇るほどの暖房は、ありがた迷惑なので)

投稿: tak | 2015年6月10日 19:53

それなら国会議員も官僚もサラリーマンも夏場は(半袖の)開襟シャツを着ればいいと思う
ほんの4、50年くらい前まで多くのサラリーマンは夏場になると長袖スーツ+ネクタイから開襟シャツや半袖ワイシャツ(香港シャツ)などに衣替えをしていた
サラリーマンの皆さんも中高生やお巡りさんを見習ってほしい(開襟シャツorポロシャツ推奨)
真のクールビズとは衣替えの習慣を復活させることだ

投稿: スパイダーマン | 2016年2月 8日 18:09

スパイダーマン さん:

>それなら国会議員も官僚もサラリーマンも夏場は(半袖の)開襟シャツを着ればいいと思う

私もそう思います。でも某小沢一郎は、絶対にスーツにネクタイですね (^o^)
スーツとパジャマしかもってないのかもしれません。

投稿: tak | 2016年2月 9日 00:10

中高生だけでなく普段着や夏のビジネスウエアにいかがですか?
http;//www.kuzutani.com/item/N200-1/
※特に就活中の学生さんや外回り営業の人におすすめ

投稿: スパイダーマン | 2016年2月 9日 13:02

リンク先訂正
http://www.kuzutani.com/item/N200-1/

投稿: スパイダーマン | 2016年2月 9日 13:04

スパイダーマン さん:

当たり障りがなくて、「就活中の学生さんや外回り営業の人」にはいいかも。

私は無地のポロシャツにしときます。

投稿: tak | 2016年2月 9日 20:28

戦前~1960年代までのサラリーマンの(一般的な)夏服
http://blog-imgs-23.fc2.com/y/o/k/yokohama59/0706h_01.jpg

投稿: スパイダーマン | 2016年2月11日 17:48

それがいつの間にかこういう真夏でも格好のサラリーマンばかりになった
(通勤電車や路線バスがほぼ冷房化された80年代後半~90年代前半ごろに)
※寒い冬に季節はずれの話ばかりしてすみません
http://images.uncyc.org/ja/2/28/Prison_uniform.jpg

投稿: スパイダーマン | 2016年2月11日 18:27

スパイダーマン さん:

小津安二郎なんかの映画を見ても、夏は開襟シャツが一般的ですね。当時は冷房なんかなかったから、スーツ着てたら死んじゃいます ^^;)

ところが、日本のファッショナブルな方々が、涼しい北ヨーロッパや北米のファッションに憧れるあまり、夏でもギャッツビーみたいな格好をするのが望ましいなんて思っちゃったんでしょう。それを冷房という技術が可能にしてしまいました。

ファッション業界は勘違いを蔓延させることによって発展してきたという側面があります。

投稿: tak | 2016年2月11日 21:01

またしつこい話で済みませんが
官民総力を挙げてクールビズを定着させるためにはファッション業界やビジネス業界の意識改革が必要だ
冷房が普及していない時代、夏場の正装として開襟シャツが認められていた
その時代に戻る気持ちが無いと無理だ
http://www.ookuraya.jp/mens_natsufuku.html
ネクタイ業界の皆さんへ
ネクタイの需要喚起を図るなら社会人用だけでなく学校制服など新たな需要を掘り起こさないといけないと思う
※学ランファンには申し訳ないけど
ネクタイ普及のために中高生の制服をどんどんブレザー(背広)にすればいいと思う
自分的には学ランよりブレザーの方が好きだ
私は決してネクタイが嫌いではない
でも暑い時は外したらいいと思う

投稿: スパイダーマン | 2016年2月14日 18:01

スパイダーマン さん:

ファッション業界に期待しても無駄です。男が夏場に開襟シャツしか着なくなったら、彼らの商売あがったりですから、絶対に賛同しません。何とかして夏でもスーツを着せたいというのが、彼らの本音です。

それに今さら黒ズボンに白の開襟シャツの組み合わせをプロモートしても、消費者だって受け入れません。空振りどころか、大反発を食らうのが目に見えています。消費者としても 「涼しければいい」 というわけじゃなく、それなりの 「ファッション性」 を求めますから。クールビズにも多様性が必要です。

いくらクールビズ派の私だって、袖口がやたら外に向かってつんつん張り出した白の開襟シャツなんて着たくありませんもの。あれは、案外迷惑なのです。(参照 ↓)

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2007/09/post_fdf3.html

またネクタイに関して言えば、制服のネクタイとファッション・アイテムとしてのネクタイは、同じネクタイ製造でも業界が別ですから、「サラリーマンに売らずに学生に売れ」 なんて言っても無理です。

そして行政もファッション業界の都合を重視しますから、「クールビズ」は口先だけに終わりがちです。

というわけで、業界や行政には、期待するだけ無駄です。我々自身が、「暑苦しくて死にそうなカッコウをしてエネルギーを無駄に使うなんて馬鹿馬鹿しいことはや〜めた!」 と言い出すのが先決です。

業界や行政は、後からしぶしぶ付いてくるぐらいで十分です。

投稿: tak | 2016年2月14日 21:04

takさん:
私は「夏は開襟シャツを着なさい」と強制しているわけではありません
ただ、暑い季節に厚着をするのはどうかと言っているのですよ(あなたと同じように)
夏に開襟シャツを着ようがポロシャツを着ようが個人の自由だと思う
冬は厚着夏は薄着(基本中の基本)
これをみんなが実践してくれるといいと思う
季節はずれの話をえんえんと続けてすみません

投稿: スパイダーマン | 2016年2月15日 08:39

スパイダーマン さん:

あなたのご意見には、基本的に賛成ですよ。
開襟シャツ偏重になりさえしなければ。

投稿: tak | 2016年2月15日 19:38

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