ならば私は「¥記号をつけた数字で表示:¥1,200」 の店を選ぶ
『脳科学マーケティング100の心理技術』 という本が話題になっている。脳科学的アプローチによって、売り上げを増大するマーケティングの紹介である。ネットの世界では、次のようなクイズが散見されて、この本を売るための巧妙な宣伝になっている。
レストランのメニューからクイズです! 次の3つの料金表示うち、一番多く注文が取れたのはどれでしょう?
① ¥記号をつけた数字で表示:¥1,200
② ¥記号をつけない数字表示:1200
③ 文字で説明:千二百円
このクイズの正解は ② なんだそうだ。他の 2つは 「お金を出す」 ことを強くイメージづけるため、脳に「痛み」を感じさせ、人を実際の購買行動から遠ざけてしまうというのである。
ちなみにこの本によれば、「回転寿しやタクシーの料金など、1回1回の消費で料金が上がっていくのをお客さんが目にする販売方法は最悪です!」ということになるらしい。なるほど、寿司を一皿食うごとに、タクシーで約 300メートル行くごとに支払金額が上がっていくシステムは、脳にある種のストレスを与える。
しかし、この 「ある種のストレス」のおかげで、客は別の安心感を得る。自分の支払う金額がきちんと把握されるので、「一体いくら取られるんだ?」という不安感から逃れられる。つまり小さなストレスのおかげで、より大きな安心感を得られる。
この「安心感」というのは、要するに「余計な金を支払わなくて済む」ということだ。具体的には、消費者が設定した「ここまで!」というリミットに達する前に「自らストップをかけることができる」という意味である。
つまり裏側からみると、『脳科学マーケティング100の心理技術』という本は、「消費者が自らストップをかけることができなくなる巧妙なマーケティング・メソッドを指南する本」 ということになる。つまり、客に余計な金まで使わせるための本だ。
ということは、これは品物やサービスを提供する側のために書かれた本で、消費者のために書かれた本ではないということに気付かなければならない。つまり、この本に書かれたメソッドを実行している店は、「賢い」かもしれないが、それは甚だ「中途半端な賢さ」であり、決して「顧客志向」ではないということだ。
だから消費者の立場に立てば、メニューの価格表示に、「¥」 マークの付いている店の方がありがたい。そうした店を選べば、余計なものまで注文した挙げ句、レジで「しまった、飲み食いしすぎた!」と後悔しなくて済むかもしれないということだ。
逆に「¥」マークのないメニューを出す店は、手前の利益ばかり考えて、客に余計な金を出させようとするあこぎな店かもしれないから、警戒しなければならないというわけだね。
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「売薬資料館」では来場記念にこの紙風船をくれたので、嬉しくなってしまった。知らない人のために、写真を載せておこう。ぺたんこに畳まれた風船の真ん中の穴から空気を吹き込むと、立方体の風船になる。畳めばぺたんこになって運ぶのにスペースをとらないというところが、行李で薬を売り歩くには便利だったんだろう。







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