ダスティ・ローデスの死は、20世紀プロレスの終わり
ダスティ・ローデスが死亡したというニュースが入ってきた。享年 69歳だった。知らない人は知らないだろうが、往年の名レスラーである。ただ名レスラーと言っても、私の好きなタイプではなかった。
ちなみに「ダスティ・ローデス」というのは 「ギョエテとはわしがことかとゲーテ言い」みたいなもので、英語のつづりは "Dusty Rhodes" だから、本当の発音は 「ダスティ・ローズ」に近い。野球の「タフィ・ローズ」は "Tuffy Rhodes" だから、同じ名字だが、もっと有名な「ピート・ローズ」の方は "Pete Rose" らしい。ややこしい。
まあ、しょうがないからここでは「ローデス」と言っておこう。ダスティ・ローデスのニック・ネームは「アメリカン・ドリーム」。ぶよぶよした感じの肉体とはおよそ釣り合わないが、まあ。自己演出が上手だったんだろう。「派手で陽気で荒っぽい」という、アメリカの男の一典型を演じていた。
ただ、私の好きなタイプのレスラーではなかった。テキサス・アウトローズを組み、一緒にタッグマッチで活躍していたディック・マードックの方がずっと良かった。ガチンコでやったら、マードックの方がずっと強かったろう
プロレスは原則的にはシリアスな勝負ではないが、肉体の酷使という点では結構シリアスである。だからプロレスラーはあまり長生きしない。相棒のディック・マードックなぞは肉体の酷使に加えて深酒もたたったのか、50歳になる前にハート・アタックで死んでいる。
力道山は 39歳で刺されて死に、ジャイアント馬場は 61歳で肝不全で死んだ。あの「大巨人」アンドレ・ザ・ジャイアントが死んだのは 47歳である。私がプロレスに夢中だった頃のレスラーの多くは、40〜50代で死んでいる。死なないまでも肉体がボロボロで、車椅子に乗っているなんてことも多いようだ。
その点では、69歳まで生きたダスティ・ローデスは、まだいい方だ。アントニオ猪木は 70歳をとっくに越えているから、プロレス界では「憎まれっ子、世に憚る」の部類と言っていいだろう。
私はダスティ・ローデスをレスラーとしてはあまり評価していないが、彼が死んだと聞いて、20世紀のプロレスはすっかり終わってしまったのだと、しみじみ思ったのである。
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コメント
「昭和は遠くなりにけり」ではありませんが、アンドレ、ハンセン、ホーガンよりちょい前の、“恐ろしい”外国人レスラーでした。
(やっぱマードックの方が好きだったかな)
現在は、ダスティン、コーディって言う息子さん方がご活躍です。
先週三沢の七回忌、来月橋本の十周忌と言うことで、世代は違いますが寂しい限りです。
投稿: 乙痴庵 | 2015年6月15日 11:01
乙痴庵 さん:
三沢。橋本は、私にとっては完全に「平成プロレス」 ですね。
「過剰な受け」 で、体を酷使し、レスラーの体がボロボロになるのを観客が見て楽しむ世界になったと観じています。
技を受けた時の痛みを知らないから、あんなので喜べるのかなと思ってしまいます。
マードックは、きちんと受けの撮れる相手でなければ、「垂直落下式ブレイン・バスター」 を使いませんでした。あの技の美しさは、お互いの信頼感が醸し出す美しさでした。
ところで、アブドラ・ザ・ブッチャーも、今は車椅子生活らしいです。
投稿: tak | 2015年6月15日 14:06