絶対に浮気したくなくなる理論?
ネット界隈では、「愛妻家芸人、土田晃之の絶対に浮気したくなくなる理論」というのが知られているというので、どんなものかググってみた。するとさすがに「知られた理論」らしく、いくつものページがヒットしたのだが、トップにランクされていたページから引用すると、次のようなものであるらしい。(参照)
先日放送された 『ブラマヨとゆかいな仲間たち』 で、小杉に 「浮気をしないのか」 と問われた土田は 「単純に浮気がバレて離婚になってもいいの?」 と切り出したあとに理詰めの理由を展開する。
「もしそうなれば、大好きな4人の子供や嫁と一緒に暮らせなくなる。家も持っていかれるだろう。そして子供たちが成人するための養育費や慰謝料を全部合わせたら総額で2億円くらいになるのではないか。そんな2億の価値のある SEX って何?」
これがやたらと肯定的な反響を呼んだらしく、このページには次のように書かれている。
納得する人、共感する人、土田晃之さんの魅力に目覚める人…など、反応はさまざまですが、彼の“浮気しない理由”に感銘を受けた人は多数いるようで、放送から数年経った今でも SNS 上で定期的にシェアされています。
というわけで、この「定期的なシェア」のおかげで私は今頃になって初めてこの「浮気しない理論」を知ったのだが、正直言って「何だかなあ」と思ってしまったのである。これって煎じ詰めれば、いわば「夫婦生活の損益分岐点」を論じているだけの話じゃなかろうか。ここにはちょっとした論理のすり替えが ある。
1つめのすり替えは、浮気が必然的に離婚につながって、養育費や慰謝料で 2億円払わなければならなくなるというストーリーの構築である。しかし実際のところ世間一般の浮気には、そうした最悪の結果にはつながらずに済むケースの方が、ずっと多いではないか。
ということは、これは「絶対に浮気したくなくなる理論」たり得ない。「浮気すると、2億円払わなければならなくなるかもしれないというリスクがあるぞ」という警告にすぎない。
2つめのすり替えは、「そんな2億の価値のある SEX って何?」と問うているように、彼は「浮気」を単なる火遊び的な性行為だけに限定していることだ。ということは、この限定を離れて、「この女と一緒になるためなら、俺は喜んで 2億円払うぞ!」と思わせるような女性にもしかして出会ってしまったら、彼は浮気しちゃうかもしれないということだ。
このような「最悪の結果」のみを想定した「経済的視点」からの理論は、実際は条件次第で結論が何とでも変わってしまうのである。もっとも「2億円払うぐらい、どうってことないわ!」ということになったら、「これは『浮気』じゃなく、『本気』です」 と言ってしまえばいいだけかもしれないが。
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