貧すれば鈍する
初来日した韓国のユン・ビョンセ外相が、岸田外相との会談に先立ち、記者団の質問に答え、日韓国交正常化 50年の記念行事で、パク・クネ大統領からの、「信頼と友愛のメッセージ」を伝えると述べたと伝えられている(参照)。フツーに言ったら、「へえ! 変われば変わるものだね!」というのが、率直な印象だろう。
これまでは世界中のあちこちで「告げ口外交」と揶揄されるほどの悪口を言いまくって、いきなり「信頼と友愛のメッセージ」と言われても、こちらが当惑するばかりではないか。基本的姿勢を貫き通してくれる方が、いっそ清々しいというものである。
こうした変化を見るにつけ、政治や外交というものは、経済状況に大きく左右されることを感じる。経済の調子がいいと大きく出て、具合が悪くなるととたんに低姿勢になるのは、国に限らず、人間でも同じだ。そしてその周囲も、羽振りのいい者には小判鮫のようにくっついてさんざんおべっかを使い、金がなくなると途端に手の平を返したように散らばっていく。
韓国経済は今、下降線を辿る一方の状況で、それに MERS が追い打ちをかけている。どこまで沈むかわからない。日の出の勢いだった頃はあちこちで大きく出て、日本に対しても無茶苦茶な言い様をしていたが、それができなくなった。その途端に「信頼と友愛のメッセージ」と来るので、ある意味、とてもわかりやすい国である。わかりやすすぎて、わかるのが気恥ずかしくなるほどだ。
しかしそれは、わが日本にも結構共通している。バブルの頃は日本も相当に勝手な振る舞いをしていた。
「東京 23区の土地価格で、アメリカ全土を買える」などと言い放ち、ニューヨークのランドタワー的なビルを買いまくっていた時期があった。さらに米国企業を買収しまくり、「既にアメリカに学ぶことは何もない」などと言って、日本的ビジネス感覚を押しつけてヒンシュクを買うこともかなりあったのである。
もっと遡れば、戦前には「鬼畜米英」なんぞと言い、英語は「敵国言語」だからとて、野球の「アウト/セーフ」という言い方すらできなくしてしまっていた。そのくせ戦争が終わったとたんに、進駐軍のジープに群がって「ギブミー・チョコレート」なんてやっていたのだから、お恥ずかしいものである。
私としては、人にしても国にしても、飢えるほどの困窮は論外だが、金を持ちすぎてもろくな事がないと、しみじみ思うのである。
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コメント
>これまでは世界中のあちこちで 「告げ口外交」 と揶揄されるほどの悪口を言いまくって、
MERS騒動の最中にわざわざヨーロッパに行って、ユネスコの世界遺産委員会委員長のドイツに「告げ口外交」をされていたのがつい10日ほど前と思います。
このタイミングで日本に来てそういうメッセージを伝えるのがわかっているなら、何故その前にあんなことをするのか?
それが普通の一般的な日本国民にどういう印象を与えるのか、わかる方が韓国にはいないということなのでしょう。
岸田外務大臣も握手をしながらぎこちない微笑を浮かべるしか仕方ないでしょうね。
投稿: ちくりん | 2015年6月22日 16:02
ちくりん さん:
あまり言いたくはないですが、まあ、成熟していないってことなんでしょうね ^^;)
投稿: tak | 2015年6月22日 17:59
平昌オリンピックに手を貸して〰、って言ってきそうな気がする。多分そうなるだろう。
世界中に告げ口外交をしまくったツケをきっちり払わせなくてはいけない。
「信頼と友愛のメッセージ」なんて何のことかと思った。
安倍さんは簡単に応じないほうがよい、手のひらを何度も返した相手だから。
投稿: ハマッコー | 2015年6月22日 22:27
ハマッコー さん:
オリンピックに関しては、平昌に手を貸すどころじゃありませんしね ^^;)
投稿: tak | 2015年6月22日 22:53
ご近所さんに大陸出身者のご家族、以前の勤め先に半島出身のご家族がいらっしゃいます。(既に日本国籍ですが…)
政治の世界がどう変化していこうが、付き合い方はなんら変わりません。
その様な環境下の「同胞」に、恥ずかしく思われている祖国とは…。
投稿: 乙痴庵 | 2015年6月24日 14:33
乙痴庵 さん:
彼の国にも、個別には 「いい人」 はいくらでもいることは、経験知としてよく知っています。
でも、まとめて見ちゃうと、これもまた経験知からですが、やっぱり身構えます。こればかりはしょうがない。
「差別意識」 は毛頭ありませんが、「馬が合う/合わない」 の問題でしょうかね。日本人でも馬の合わない人はいくらでもいるので、そうした人とは強いてお近づきにならないのと同様の感覚かもしれません。
投稿: tak | 2015年6月25日 02:28