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2015年6月19日

どうやら本当にエルニーニョらしい

今年はエルニーニョが発生しているために、梅雨明けが遅れ、冷夏になる可能性があるという。しかしこれには「待てよ」と言いたくなるではないか。エルニーニョって、去年の夏から発生しただの、まだしてないだの、いろいろ言われていて、まるで狼少年である。

調べてみると、気象庁は昨年 4月 10日に、「夏から冬にかけてエルニーニョ現象が 5年ぶりに発生するとみられる」と発表している(参照)。この時も冷夏、暖冬になる可能性があるとされたが、結局は夏の時点ではエルニーニョにはならず、昨年末の冬にずれこんで発生すると、情報修正されていた(参照)。

ところがこれは但し書き付きで、「弱いエルニーニョ」になる可能性があり、その場合は逆に厳冬になることもあるという、かなり玉虫色の情報だった(参照)。

そしてそのままうやむやにされてしまった感があり、ふと気付けば、Wikipedia の「エルニーニョ・南方振動」というページによると、2014秋〜冬は、エルニーニョどころか、まさかのラニーニャだったいうことになっているではないか(参照)。あの騒ぎは、一体何だったんだ。

どんでん返しの内容としては 「西日本~北日本の日本海側で 10月を中心とした暖秋、および 12月 - 翌年(2015年)の 2月上旬までを中心とした寒波と長期的な降雪」となっている。しかし率直な印象としては、決して暖冬ではなかったが、その前の冬ほどの大雪になったわけでもなく、「フツーに寒い冬」だったんじゃなかろうか。

そして今年の 5月 12日に、気象庁は思い出したように「エルニーニョ監視速報」を発表し、「4月時点でエルニーニョ現象が発生したとみられる」との見解を示した(参照)。「今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続くとみられ、冷夏になる可能性も高まった」と言う。

確か去年も聞いたような話なのだが、違うのは、去年は「発生するとみられる」という話だったのに対し、今年は「発生したとみられる」という文言なので、少なくとも去年よりは確実性が高い。「ごめんね、やっぱり発生してなかった」とひっくり返る可能性は低くなった。

さらに今月 10日になって、気象庁はこのエルニーニョが 「さらに強まる可能性がある」 と発表している(参照)。ここまでくれば、確かにエルニーニョを信じてもいいだろう。そして実際にも、まさにエルニーニョらしい状況になっている。

沖縄では早々に梅雨が明けたが、梅雨前線は素直に北上を続けず、南九州に停滞したままで大雨をもたらし、東北はまだ梅雨入りしていないという異常事態である。

私は近頃、Radiko の有料版(エリアフリー)で、しょっちゅう沖縄の放送を聞いているのだが、あまりの暑さに一雨欲しいという声で溢れている。そのすぐ北の鹿児島あたりで、いつもの梅雨の 5倍ほどの大雨に見舞われているというのに、どえらい違いだ。

関東でも梅雨入りはしたものの、近頃の雨は梅雨前線によるものではなく、上空の冷気によってもたらされる局地的な大雨である。これから本格的に梅雨前線が上がってきたら、梅雨明けは遅れる可能性が高いだろう。その前線がさらに東北でぐずぐずしたら、米が不作になる可能性だってある。

ここまできたら、どうやら「冷夏」は覚悟した方がよさそうだ。情熱的な夏物語は、来年以後に待とう。

 

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