現代の方丈生活
Wired の本日付記事 "カプセル型の自給自足型マイクロハウス「Ecocapsule」" というのがとても気になった。そのまんま 「エコカプセル」 と読むんだろう。下の写真は Wired の記事の直リンクで、本当に小さなカプセルである。ちょっとした 1ボックス車ぐらいのサイズにみえる。
スロバキアの首都、プラチスラヴァにある建築スタジオ、Nice Architects が発表したもので、「キッチン、バス、寝室を備え、屋根に設置した風車とソーラーパネルにより、自力で電力をまかなうことができる」とある。屋根のソーラーパネルと風車によって発電した電力は 9.744Kwhバッテリーに蓄電され、飲料水は降水をフィルターで浄化して得る。
電力会社と水道局との契約は要らないし、ガスも灯油も使わないから、自動車を持たなければ、エネルギー代は 1円もかからない。電気に関しては、ソーラーパネルの他に風車とバッテリーがあるので、雨の日や夜でも停電が避けられるのだろう。環境へのインパクトを最小にして生活することができる。
それにこのマイクロハウスは、土台も電線も水道もいらないので、多分「不動産」としての登記が要らない。小さな土地さえあれば、いや土地がなくても、ビルの屋上とかにちょこんと置いて住むことができる。その場合の排水処理さえしっかりすれば、ずっと住み続けられる。
内部は写真によればこんな感じだ。左がダイニング兼作業用のカウンター・テーブルで、右が折りたたみ式ベッド。その奥にキッチンが見え、壁の向こうはトイレ兼シャワールームだ。写真では見えないが、手前に収納スペースがあり、さらにキッチンの奥が外から開けられる倉庫である (上の写真の左端のドア)。
鴨長明は方丈(一丈四方、大体四畳半の広さ)の宿に住んで『方丈記』を著したが、これはさしずめ、現代の方丈である。生活に必要な機能は最低限揃っているし、あとはインターネット接続のための WIMAX かなんかがあれば、仕事にも困らない。
もし私が独身だったら、どっかの屋上を借りてこんなカプセルに住み、ミニマリズム生活をするのもいいなあと思ってしまう。あるいはリゾート地にこんなのをいくつかちょんちょんと置いてしまえば、手軽なロッジ村ができる。建物を建てる必要がないから、コスト的にも有利かもしれない。
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コメント
これ良いですね!
来年日本に帰ったら、これを買って住もうかな。
床面積が10㎡(6畳)以下で、基礎がなくて、電気・水道・ガス等が固定されてなければ建築確認は要らないそうです。必要でも別に大した手間ではないと思いますが。固定資産税は、最近はトレーラーハウスなんかでも取る場合があるらしいので微妙なところです。
小さいのに、それなりに広い敷地でないとサマにならなさそうなのがタマにキズでしょうか。
欧米ではだいぶ前からタイニーハウス・ムーブメントというのがあり、好事家がかわいい小屋を作って住んでいるそうです。
http://shedlife.blog.fc2.com/blog-category-1.html
日本でも「Bライフ」といって、若い人がオフグリッド生活を始めるのが流行っているらしいです。
投稿: きっしー | 2015年6月24日 10:36
きっしー さん:
私も前から 「小屋」 に関してはかなり興味をもっています。
ただ、家をもってしまっているので思い通りにはなりませんが、子供たちも巣立ったので、徐々に内側をがらんとさせて行きたいと想っているところです。
投稿: tak | 2015年6月25日 02:09