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2015年7月 4日

ネクタイが邪魔者に見えてきた

先月 8日の記事でも書いたことだが、「クールビズ」が少しずつ定着してきたという気がする。ただ、その趣旨が徹底されているわけでもなく、私は次のように書いている。(参照

テレビに登場するキャスターなどのノーネクタイ姿が、まったく当たり前になったし、時々顔を出すオフィスをみても、ネクタイをしていない人の方が多い。(中略) もっとも昨今のクールビズは、「涼しい格好で省エネする」 という本来の目的よりも、「堅苦しいネクタイから解放されるための口実」みたいなところがある。

まあ、いろいろあるにはあるが、「サラリーマンは夏でもネクタイをしなければならない」という呪縛から解放されたことは大きい。その証拠に、近頃はワイシャツにネクタイ姿で電車に乗っているおっさんを見ると、やや奇異に感じられる。ジャケットなしだと、ネクタイがいかにも余計者に見えるようにまでなりつつあるのだ。

彼らはスーツの上着を脱いでいるだけで、目的地に着けばそそくさと上着を重ね、冷房の効いた屋内に突入するのだろう。しかし移動途中の姿、長袖ワイシャツにネクタイをしているだけという格好が、なんとも野暮ったく見えるのだ。

厳密に言えばワイシャツの位置付けは下着だから、下着にネクタイしているだけというようなものなのである。その「厳密な意味合い」が、クールビズが広まったおかげで、はからずも当たり前に感じられるようになってきた。なまじネクタイなんかしているせいで 「パジャマにネクタイしているみたい」 という感覚が強調されるようになった。

ネクタイさえしていれば許されるという、「サラリーマンの免罪符」みたいなアイテムだったものが、逆に「それ、みっともないだろう!」ということになってきているのである。時代は変わった。変われば変わるものである。

現代におけるファッションというものは「感覚派のおもちゃ」みたいなところがあるから、またいつネクタイがもてはやされるようになるかもしれないが、大きな流れとしては、確実にネクタイというものがその重要性を失う方向にあることは間違いない。

 

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