「二六時中」が「四六時中」に変わったのは?
サザンオールスターズの『真夏の果実』という曲に「四六時中も好きと言って」という歌詞がある。初めてこの曲を聴いた時は、今どきの若い連中は「四六時中」なんて言われても意味がわからないんじゃないかと心配したものだ。いや、多分 10人中 5人はわかっていないかもしれない。
いうまでもなく、これは九九の 「四六 二十四」 から来た言葉で、24時間、つまり 1日中ずっとという意味だ。しかしこの言い方になったのは、比較的最近のことだと思っている。明治の頃までは、「二六時中」というのが普通だったようだ。夏目漱石の小説では、「二六時中」という言い方がよく出てくる。
江戸時代(というか、多分明治初期まで)は「一時(いっとき)」は 2時間で、1日は「子の刻」から「亥の刻」まで、12の「時(とき)」に分けられていた。だから「二六 十二」で、「二六時中」である。
1日は 24時間だなんて思っていなかったのだから、当然のことだ。それが西洋式に 1日が 24時間になった明治の世の中でも、言い方としては「二六時中」がしばらく残っていたのだと思われる。
この 「二六時中」 が、1日 24時間になったのと帳尻を合わせるために、いつの頃からか 「四六時中」 に変わってしまったのだろうが、いつから「四六時中」がメインになってしまったのかは、なかなか調べがつかない。どなたか明確なデータをもっていないだろうか。
ところで、今日は私の 63回目の誕生日だった。このくらいになると、誕生日を忘れ、自分が何歳なのかも忘れがちになる。
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