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2015年7月19日

声を大にして 「夢に酔いすぎるな」 と言いたい

ネットのニュース配信で、新国立競技場の計画全面見直しに関し、猪瀬前都知事が「声を大に『夢を奪うな』と言いたい」と言っているというのが入って来た。週刊ポスト 2015年 7月 31日号の記事だという。

猪瀬氏がどんなことを言っているのか (いや、週刊誌のことだから「言っていると伝えられているのか」の方が正しいだろうが)というと、基本的には、以下の 2点である。

まず 2012年のデザイン決定時に 1300億円と見積もられていた工事費が翌年の試算見直しでいきなり 3000億円に膨らんだことへの疑問。そして、「屋根のある競技場」だからいいのであって、この問題で「国民の夢を奪うな」ということである。

率直に言って私は、「猪瀬さん、今頃になって何を言ってるんだろう」と思った。1300億円だった試算がいきなり 3000億円になったことに関して、「なんでいきなりそんなに増えてしまうんだ?」と憤っている人は、猪瀬氏を初めとして少なくないが、この問題は、「最初の試算も大甘すぎたんじゃないの?」となるのがフツーの感覚なんじゃなかろうか。

確かに獲物に集まる如き観のあるゼネコンが、ここぞとばかり利益を貪る試算をしている傾向もあるだろうし、その意味で「こんなに増えすぎるのはおかしい」とも言えるが、「最初の試算がこんなに安かったのがおかしい」との考えを一顧だにしていないのも、おかしすぎるだろう。

さらに「夢を奪うな」という甚だ情緒的すぎる発言も、いかがなものかと思うのだよね。こんなことが「夢」だなんて、今さら誰も思っていない。逆に「夢に酔いすぎるのはいい加減にしろ」と言いたくもなってしまうではないか。

 

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コメント

新国立競技場のデザインはあの最初に決まったデザインが最もすばらしいと私は思っていました。 そして、我が国、日本なら出来るのだろう!すごいな!!!と、思い込んでいましたよ。
ところが、
日本の経済力は、案外、底が浅かったのね・・・・涙涙涙・・
選んだチーフの安藤忠雄のせいにしてはいけないと思う。
芸術性からしたら一番なんだから!!
それに、 総合的に建てる力、技術の力も、経済力も日本ならあると見込んでいた筈です。
でも、初期の段階で、もう、縮小することに決まったという報道には驚き、がっかりし、そりゃ 一度は日本の恥だと思いました。 でも、 それから3000億円を越え、出来ないという報道が伝わってきた時、
《恥だなんて言っておれない、そんな架空のプライドなんか捨てたらいい。 さっさとデザインを変えて工事にかかれ=!》と、 私は思ったし、 そうあるべきだと思う。

今まででも公共工事は何でもかんでもぶらさがる人々がいて、
どんどん費用がふくれるそうですね。

無い袖は振れません。 お金は、若者のこれからの暮らしの費用にこそ 回してほしい。 小学校のクラスでは1クラスの3分の一がおなかをすかせていると言われていますものを。

投稿: 朱鷺子 | 2015年7月20日 08:22

朱鷺子 さん:

一時、「屋根なしで建設」 なんていう案が出された時には呆れました。

「屋根付きで完成されたデザインから屋根を取ったら、ぶちこわしだろう!」と思ったものです。シャネルスーツを上着なしで着て、それでもシャネルスーツというようなものです。

森喜朗さんは「生ガキがどろっとたれたみたい」 なんて言ってましたが、そこはまあ、好き好きでしょうね。私としては、あれを思いっきり安っぽく、プラスティック感覚でこなしたら、「クール・ジャパン」かもと思ってました。

安藤さんの委員会はデザインを選定する役割で、コストまでは関知しなかったと言ってますが、その時点できちんとした見積もりぐらいは付いた状態で審議すべきだったと、私は思ってます。

それから、デザインが決まってからでも、コンペで「一番安く建てられる建設業者」を選ぶのが筋なんでしょうが、それもなしに見積もりだけがどんどん膨らんだというのは、異常なことですね。

投稿: tak | 2015年7月22日 17:59

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