メンズウェアには、「がんばる」と「がんばらない」しか選択肢がない
最近本当に久しぶりで、ある郊外百貨店の覆面調査みたいな仕事をした。で、ここでは細かいことは言わないが、メンズウェア市場というのは昔から相変わらず、「がんばっておしゃれするメンズ」と「おしゃれなんて関係ないメンズ」の、2通りしかないのだなと思ってしまったのである。
この郊外型百貨店は、駅の改札口から 1〜2分歩いたところにある。そう言ってしまえばかなりいい立地に聞こえるかも知れないが、百貨店の入り口にたどり着く前に、ステーションビルのショップがどっさりとあり、40歳代以下ならばそこで捕まってしまう。駅舎の外にある百貨店には、まず足を伸ばさないだろう。
さらに郊外百貨店は、オバサマ向けの商品はいくらでもあるが、オジサマ向けの商品はとても限られている。一目見て「あ、俺のセンスじゃないな」と思ったら、それ以後は絶対に寄りつかない。「物理的にはあるけど、意識としてはない店」になってしまう。
メンズウェアを購入するのに、一歩も気張りたくなかったらユニクロで買う。一歩気張りたかったら、都心店まで足を伸ばす。半歩気張りたい時に地元の郊外百貨店で買うのだろうが、現実の地元百貨店には、買いたくなる商品がない。
そんなわけで男には、大別して「がんばったファッション」と「がんばらないファッション」の 2通りしかなくなってしまうのである。つまり、「がんばったファッション」に身を包むのが気恥ずかしいと感じてしまうと、現実的には「がんばらない」選択肢しかがない。
ちょっと前までは、「オジサンは背広とゴルフウェアとパジャマしかもってない」なんて言われていて、今はさすがにそんなこともなくなったが、まともに語れるほどに進化したかといわれれば、そんなことは全然ない。
いい意味で中途半端な商品が豊富にあると、メンズウェアの裾野も広がるのだがね。
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コメント
アロハと短パンと雪駄。
今夏はあまりに暑いので、Tシャツ短パンと雪駄。
しっかりが必要なシーンには、結局スーツかジャケットとチノパンですなぁ。
あ、がんばらないサイドのおっちゃんです…。
投稿: 乙痴庵 | 2015年8月13日 07:04
乙痴庵 さん:
気候とメンズウェア流通の両面で、頑張らせてはもらえないんですよね (^o^)
投稿: tak | 2015年8月13日 08:55