「出身地鑑定 方言チャート 100」で、新潟県下越出身と判定されてしまった
「出身地鑑定 方言チャート 100」というサイトがおもしろい。東京女子大現代教養学部で方言学を専門とする篠崎晃一教授と、篠崎ゼミに所属する学生たちが開発し、今年 7月に公開した途端に 約 2か月で 300万人がアクセスしたという。
このシステムは日本を 100のエリアに分類しており、数問の設問に「はい/いいえ」の二択で答えると、出身地を推定してくれる。2年前に開発した旧バージョンは 47都道府県別の分類だったので、必ずしも正確な推定はできなかった。確かに私の生まれた山形県を例にとっても、私のペンネームの元になった庄内と内陸では、かなり違ってしまう。やはり少なくとも 100ぐらいにわける必要があるだろう。
で、さっそく試しにやってみたところ、「新潟県下越」(新潟県北部) と判定されてしまった。山形県庄内からみればほんの南隣だが、正解というわけにはいかない。こんなこともあるのだろう。
いったいどこで間違えたのかと辿り直してみたら、以下のような筋道で 「新潟県下越」 ということにされたようだ。
- 翌日、家に不在の時、「明日、家におらん」と言うことがありますか?
→ いいえ
- 授業で先生にあてられるとき、「先生にかけられる」と言うことがありますか?
→ はい
- 「宿題を終わらせる」ことを「宿題をおわす」と言うことがありますか?
→ いいえ
(ここで、「新潟県出身者」 と明確にカテゴライズされてしまったようで、次の設問 4 からは 「新潟県突入!」 と表示される。つまり、これが決定的な分岐点だった)
- ぶつけたとき、内出血で肌が青黒くなった部分を「ぶすいろ」と言うことがありますか?
→ いいえ
- 「あなた」ということを「おまん」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?
→ いいえ - 「おやまあ」ということを「おっこっこ」もしくは「おっこー」または「おここ」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?
→ はい
以上の 6問に回答したところで、「あなたの出身は新潟県の下越エリアですね !?」 という表示が出た。最後の 3問で、新潟県の中でも 「下越エリア」 と特定されたのだろう。しかし最も重要な分岐点は、3番目の「宿題を終わらせる」ことを 「おわす」というかどうかだったようで、「おわすなんて言わない」と答えた時点で、即座に山形県出身ではないと判断されたようだ。
試しに、ここで 「はい」 と回答してみたところ、案の定 「山形県突入!」 と表示された。以下、別ルートの再現である。
- (同上)
- (同上)
- 「宿題を終わらせる」ことを「宿題をおわす」と言うことがありますか?
→ (心ならずも 「はい」 と答えて、山形県に突入する) - 「~(名詞)ですか?」のことを「~(名詞)なな?」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?
→ いいえ - 「かわいそう」のことを「めじょけね」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?
→ はい
ここで「あなたの出身は山形県の庄内エリアですね !?」 と表示された。ピンポン! 終わらせてみれば(私は「おわしてみれば」なんて言わないよ)なぜか新潟県下越と判定されるよりも 1問節約された。
3番目の「宿題をおわす」に関して、山形県の内陸出身者は確かに「おわす」という言い方をするような印象があるが、しつこいようだが、少なくとも北庄内(酒田エリア)出身の私はそんな言い方は気持ち悪くてできないし、周囲の人たちも言わなかった。あるいは南庄内(鶴岡エリア)では「おわす」と言うのかもしれないが、定かではない。
このあたりを曖昧に処理したことが、このシステムのバグと思われる。多分庄内出身者は調査サンプルがとても少なかったのだろうと同情してしまうが、とにかくフィックスしていただければ幸いだ。
ちなみに「宿題を終わらせる」は、私は 「しゅぐで、してしまう」と言う。「終わらせる」に相当する語彙は、ネイティブにはない。そして「めじょけね」(かわいそう は、庄内ではとても一般的な表現で、極めると「めじょーけねごど!」(かわいそうだこと!)という強調表現になる。
【お願い】
南庄内 (鶴岡エリア) 出身の方がいらしたら、「宿題を終わらせる」を「宿題をおわす」と言うかどうか、ご教示いただければ幸いです。コメント欄にお願いします。
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