申し訳ないが、安保法案にはしらけている
参議院が例の安保法案で大もめにもめている。昨日の TBS ラジオで、理事会室前に野党議員が押し寄せて、移動を妨害しており、廊下は冷房が効かないので、ものすごい暑苦しさになっていると、国会記者からのレポートがあった。国会議員は時々、結構な肉体労働と化す。
「暑さで汗だくのようですね。臭いが発生しているとのレポートもありましたが」とのスタジオからの問いかけに、現場が「臭いはいつものことですけどね」とさらりと応じたのは、ちょっとヒットだった。じいさんばあさんが多いから、加齢臭が強いのだろうか
まあ、いずれにしても、安保法案は今週中に通ってしまうことがみえみえだから、国会がどんなに喧噪状態になろうとも、国民の多くはしらけている。私自身も、法案に反対であることには変わりない(参照1 、参照 2)が、やはりかなりしらけてしまっている。というか、無力感にとらわれ始めている。
識者の中には、今の状況を 60年安保時に喩える人がいる。半世紀以上も前のことをよく覚えているのは、多分 70歳以上の高齢者だろう。私は当時、小学校 2年生だったから、深くは理解していなかったが、あの大規模な反対運動はニュースで聞いて (当時はテレビなんかなかったからね) かなり深く印象づけられている。
デモ隊が国会に突入する中で樺美智子さんが死亡する事件があったことを引き合いに出すまでもなく、私を含む小学生たちが「安保反対!」と叫びながらデモ行進の真似をする遊びに興じていたぐらいだから、60年安保当時の反対運動の高まりは、今回とは比べものにならなかった。それでも安倍首相の祖父が通しちゃったんだから、何だかんだ言っても、今回だって孫が通してしまうのだろう。
私は今回の安保法案の件で、「自民党が『右翼バネ』 を発揮すると、民主党が『左翼バネ』を発揮してしまい、結局はイデオロギー対決に近い様相となって、国民はシラけてしまう」と感じている。安保法案に反対している国民の多くが民主党に期待しているのは、昔の社会党みたいな姿になることじゃないのに、なぜかそんな風なことになってしまっている。
イデオロギー対決のような構図になったら、いつの世でも与党が強くて野党は支持を失う。今回はせっかく与党が支持率を落としているのに、民主党はその分をちっとも吸収できていない。今どき妙な 「左翼バネ」 なんか効かせているからである。左翼バネは共産党に任せておけばいいのだ。
野党は生活感覚に裏付けられた具体論で攻めなければならないのに、「徴兵制復活につながる」なんて素朴な寝言を言っているようでは困っちゃうのだよね。
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コメント
ただいま、参院特別委員会の鴻池委員長不信任同義で、NHKが番組ぶっ潰して中継中です。(大相撲はEテレで)
普段の委員会では(時間的に)話すことができないことを、とうとうと…。
あら、委員長不信任同義は、否決されました。
野党にとっての、ガス抜きですな。
投稿: 乙痴庵 | 2015年9月17日 16:28
連投恐縮。
鴻池委員長着席と同時に、議長席が野党議員に囲まれてもみくちゃ…。
記念に実況いたしました。
投稿: 乙痴庵 | 2015年9月17日 16:30
乙痴庵 さん:
後になって、ハイライト部分(?) を YouTube で見ました。
日本にとっての重大なことが、こんな馬鹿馬鹿しいプロセスで動くんですね。
投稿: tak | 2015年9月18日 11:33