広告、CM というものについて
iOS の Safari 上から公告を消してしまう Adblock という機能が話題を呼んでいたかと思ったら、さらに ABP(Adblock Plus)というものまで出てきて、私もついにインストールしてしまった。確かに邪魔くさい広告が消えて、しかも表示スピードが落ちたという気もしない。快適である。
そもそもウェブ上の広告はウザいと思う。Google などは広告料金で収益を得て、そのおかげで検索のみならずいろいろな無料サービスが実現されていると理解してるので、半分は申し訳ないような気もするが、やっぱりウザい。
そもそも、ウェブ上の広告なんてほとんど見ていない。目指すページに行き着いたとたんに前面に広告が表示されたとしても、私が注目するのは広告の内容ではなく、クリックして消し去るための「×印」だけである
Google で検索して目指す YouTube 動画に行き着いた時にも、たまに CM 動画が表示されたりするが、その間、私が注目しているのは 「○秒後に広告をスキップして動画に進めます」 の表示であり、その表示が「広告をスキップ ▷」に変わったら間髪入れずクリックするだけだ。だから「今の広告、何だった?」と聞かれても、全然覚えていない。
ちなみに、昔の広告はスキップするには惜しい力作が少なくなかった。1970〜80年代の TVCM には、番組そのものよりおもしろいものがたくさんあったと思う。しかし最近ではたまにテレビを見ても、CMがつまらない。制作に金をかけていないのだろう。
とくに「山場 CM」といわれるような、いいところでつまらない CM を挟むような姑息なことをやられると、さっさと別の番組に移るか、トイレに行くかする。うざい CM が終わるまでじっと待つのは、リモコンのなかった大昔の話で、今は逆効果でしかないのに、バラエティ番組では相変わらずこの手法が多用される。
バラエティ番組というのは、くだらないからこそおもしろいといえばおもしろいのだが、それでも「山場 CM」はその感興さえも台無しにする。不愉快な思いをしてまでくだらないものに付き合っていられるほど暇じゃない。無料の民放を見て不愉快になるよりも、有料でも CM の入らない NHK か WOWOW を見る方が精神衛生にいい。
もっと言ってしまえば、テレビの視聴者が CM を不愉快に感じるようになった原因が、あの「山場 CM」だとさえ思う。あれは民放がじわじわと自殺行為をしている姿かもしれない。
Apple が Adblock などの広告ブロックに力を入れるのは、広告収入によって無料サービスを提供する Google 潰しだと主張する人もいる。なるほど、それもあるかもしれないが、それならそれでもいい。Google の商売が打撃を蒙って継続できなくなるというなら、月額 2000円ぐらいなら払ってもいいとさえ思う。
昔みたいに、つい引きつけられてしまうような魅力的な CM が増えるというなら話は別だが、最近のは全然つまらないしね。
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コメント
別名CM跨ぎという不快な手法がはびこるのは、それをやってもチャネルを変えられるケースはそう多くはないという結果が、機械による調査で明らかになっているからでしょうね。
山場CMは、その間トイレに行かれてしまう、録画による視聴の場合は飛ばされてしまうのであまり効果がない、山場CMに対して不快感を感じるという認識が広告主に広がれば無くなるのでしょうが、いつまで続くのか。
投稿: ハマッコー | 2015年10月 3日 12:35
ハマッコー さん:
>山場CMは、その間トイレに行かれてしまう、録画による視聴の場合は飛ばされてしまうのであまり効果がない、
というような事情によって、
>それをやってもチャネルを変えられるケースはそう多くはないという結果が、機械による調査で明らかになっている
のだとしたら、調査する側はデータを自分に都合よく解釈しているだけで、洞察力がなさすぎですね。
投稿: tak | 2015年10月 3日 22:34
再び失礼します。
調査する側は、ビデオリサーチ社で、株主は〇通と在京キー局ですね。つまりデータを自分たちに都合のいいように解釈して(トイレに行く人、山場CMにイライラしてる人は少数)、広告主に番組を高く売りつけるんでしょうね。山場CMを連続二回繰り返す例もありますから、山場を超すまでに6回CMを入れる例もありますね。
身内が視聴率調査してるのですから、やりたい放題ですね
。
昔、会社が〇通に商品の評価調査を依頼したことがありましたが、明らかに発注者の機嫌を損ねないようなバイアスが強くかかったもので、公正な調査とは言い難く、落胆したことがあります。
投稿: ハマッコー | 2015年10月 4日 00:01
ハマッコー さん:
広告というのは、実は驚くほど効果のないものです。
道行く人に図書券を渡して協力を呼びかける調査方法がありますが、その中で、新聞を 1面から順にめくらせて、最後に 「どの広告が印象に残りましたか?」 と聞くというのがあります。
ところがこうした調査をすると、大抵の人は、「え? 広告なんて見てなかったから、全然覚えてない」 と答えます。
それで、調査会社(広告会社の子会社)はもう一度、新聞をめくらせます。そうすれば、今度は意識的に広告に注目するのは当然ですね。
そして、「さて、印象に残ったのはどの広告でしたか?」 と聞きます。まあ、ここまで誘導尋問的な聞き方をすれば、派手な全面広告が印象に残ったという回答が一番多くなるのは当然です。
そしてこうした調査をするのは、高い費用を払って全面広告を出したスポンサーを満足させるためですから、結果オーライとなります。
ナマの調査結果としては、「高い広告費を払っても、ほとんど印象に残らない」 ということになるのですがね。
ことほどさように、広告会社はスポンサーを満足させるために、バイアスかけまくりの手法を駆使します。
投稿: tak | 2015年10月 4日 01:19