お金って、そこまで好きじゃないし
今年のエイプリルフール・ネタの元ネタにした「年収 2000万円サラリーマンの財布の特徴は?」というページがある。とにかく金持ちになりたかったら「高級な長財布をお持ちなさい」というのである。
「財布を大事にするということはすなわちお金を大事に思っていることで、お金持ちの人はお金を愛し大切にする」のだそうだ。そうすると、お金の方から寄ってくるという。こう講釈を垂れるのは、『バカでも年収 1000万円』著者、バカリーマン日本代表の伊藤喜之という人だ。
これに類した記事は、All About というサイトで定期的に次々に紹介されるようで、今度は「お金が自然に寄ってくる財布と新札って?」というのが載っかっていた。書いたのは、はづき虹映 (こうえい) というお人で、要するにこの手の話は、いろんな人が手を変え品を変えあちこちで書いたり講演したりしているようなのだ。
金を儲けようと思ったら、下手に事業をするよりも「こうすればお金が寄ってくる」という話をあちこちでするのが、一番の近道なのかもしれない。18世紀半ばのカリフォルニアのゴールドラッシュで一番儲けたのは金鉱掘りではなく、金鉱掘りたちにインディゴ染めのパンツを売りまくったリーヴァイ・ストラウスという人だったというのを、私なんぞは思い出してしまうのだよね。
(ちなみに、ジーンズのリーヴァイ・ストラウスと構造主義人類学者のクロード・レヴィ=ストロースは遠縁に当たるという説があるが、Wikipedia はそれを否定している)
それにしてもこうした話をする人って、本当に心の底から「お金が好き」なんだなあと思うのである。それだけお金が好きなら、そりゃあお金も儲かるだろうさ。絵が好きなら絵を描いたり集めたりするし、音楽が好きなら自分で演奏したりコンサートに足を運んだりする。同様にお金が好きなら、とにかくお金が入ってくるようなことをするだろう。
で、私自身のことを考えてみれば、そこまでお金が好きじゃないのである。そんなに四六時中お金のことを考える時間があったら、私は別のことを考えたいと思ってしまうのだよね。だから私はあまりお金に縁がないのだろう。それはそれで、別にいいのである。
「お金が好きな人」って、音楽はあまりよくわからないけど、とにかく高いオーディオ機器を買いそろえて、ものすごくいい音で平凡なイージーリスニングとか歌謡曲とか、趣味のバラバラな CD を聞いて悦に入ってる人と共通した臭いを感じてしまうんだよね。イージーリスニングと歌謡曲が好きな人、妙なたとえ話をしてしまって、ごめんなさい。
何しろ私は、高級な長財布をもって、常に見せ金として新札を 10万円入れておき、クレジットカードを使わずに現金をわしづかみにして支払うという自分の姿を想像すらできないのだから、これはもうしょうがない。
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コメント
tak-shonaiさんごきげんよう~おはようございます~
私、この記事、気に入りましたぁ。
私のお財布は100円ショップで買った、透明のビニール袋です。
1万円を横にして入れたら少し余るほどの長方形のビニール袋なの。良く見えるからお金がすぐに出せるでしょ?
レジでぐずぐずしたくないのよ。
カードは簡単でよかったんですが、カードを探してレジでぐずぐずして若者に「チッ」と舌打ちされたからカードも止めました。だはは・・・
でも、お金も大好きです!縁はないけど・・だはは・・
投稿: 朱鷺子 | 2015年10月10日 07:57
朱鷺子 さん:
ビニール袋の財布ってのは、いいですね。
はづき虹映という指南役によると、財布にはピン札だけを見せ金として 10万円入れて、あとはカードも入れないんだそうですが、私はカードとか出張先での領収書とか、ビシビシに詰め込んでます。
それから、レジで手間取る人に、待ってるやつが舌打ちなんかするのは、かなり失礼なことだと思っています。
(舌打ちしたいのは山々ですが、自分もグズグズしちゃうことがあるかもしれないので、気長に待つことにしています)
そんな時、米国だったらレジのおねえさんが、"Thank you for your patience." と言ってくれると、前に書きましたが、日本語ではいい表現がないんですよね。
投稿: tak | 2015年10月11日 00:50