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2015年11月20日

「ホワイエ」 を巡る冒険

ロビーのことを「ホワイエ」なんて言うようになったのはいつ頃からだったろう?

記憶を辿れば、この言葉は新しいカタカナ語好きのファッション業界で遅くとも前世紀末には当たり前に使われていたから、カタカナ語としてある程度認知されてから、少なくとも 20年ぐらいは経っていると思う。

初めのうちは「どうしてフツーに『ロビー』と言わないのだろう?」と思っていた。そのうちに、まあ、カタカナ語でいろいろ言い代えるのが好きな業界だから、「チョッキ」を「ベスト」とか「ジレ」とか言いたいのと同じようなものと理解した。(英和辞書で "gilet" を引くと「チョッキ」と出てくる)

しかしそのうちに、いくらなんでも「ホワイエ」の標記と発音はダサいだろうと思うようになった。ちょっと調べればわかることだが、これは元々はフランス語のようで、つづりは "foyer" である。発音は「フヮイエ」って感じ。頭にアクセントはおかない。

それから、この言葉の元々の意味は「火」とか「暖炉」とかいうことのようなのである。そこから「人の集まるくつろぎの場」というわけで、英語のロビーとほぼ同じ意味でも使われるようになったらしい。

英語にも外来語として入っていて、フツーは「フォイアー」って感じで発音する。スノプな連中はフランス語的に発音して、最後に「ネスパ?」なんていうのかもしれないが。

待てよ、そうすると、"foyer" って、英語の "fire" と共通した語源になるんだろうか? その疑問からあちこちググって調べてみると、「火」というのは世界の言語でかなり共通した要素を持つ言葉というのがわかった。

そのフランス語バージョンが "foyer" で、英語バージョンが "fire"  である。ちなみに、ドイツ語では "feuer"、スペイン語では "fuego"、イタリア語では "focolare"、中国語では「火」(フォア) となる。日本語は 「火」 で、奈良時代の発音を昭和の世に伝えていた私の祖母は 「フィ」 と発音していた (参照)。

ものごとは調べてみるものである。火というものは、人類文明の中でかなり根源的な意味合いを持つもののようなのだ。

最後に付け加えるが、私はフツーの会話で 「ホワイエ」 という言葉を使ったことは一度もない。あまりにも気恥ずかしくてね。

 

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