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2015年12月 6日

日本の仏教寺院がものすごい勢いで消滅しているらしい

今、日本のお寺が危ないらしい。収入源である檀家が過疎・高齢化などで減少し、一方で寺の側も住職の後継者不足という問題があり、今後「寺の消滅」が加速する可能性があると、朝日新聞が報じている (参照)。

宗教のニュース・サイトである World Religion News でも "BUDDHIST TEMPLES ARE CLOSING IN JAPAN AT A STARTLING RATE" (日本で仏教寺院が驚くべきペースで閉鎖している) という記事で、「77,000 の寺院の 40%が機能を停止する」「既に 20,000 が無住職になっている」と述べている。

何となくわかる。既に自分の家の宗旨(浄土真宗とか曹洞宗とか)なんて知らない人もずいぶん多いぐらいだから、寺離れは既に確実に進んでいる。多くの人が地方から大都市部に移住し、その最初の世代は「墓参りのために帰郷する」という意識があっても、第二、第三世代になると、自分の家の墓がどこにあるかを知らなくなる。

そうするうちに近郊に墓地を買い求めるようになる。そうした「霊園」と称する施設は、特定の宗旨の寺に属するというよりも、お彼岸やお盆になると近所から坊さんを呼んでお経をあげてもらうなんてことになり、田舎の寺との縁は切れてしまう。そうなると、田舎の寺は無縁の墓だらけになり、管理もままならなくなる。

要するに日本の仏教界では、長らく続いてきた「檀家制度」というものが機能しなくなりつつあるのだ。「葬式仏教」として機能してきたものが、人口流動化に対応できなくなっている。仏教寺院がこれからも存在したいと願うならば、死んだ者よりも、今生きている者を相手にする方向に舵取りしなければならないだろう。

今後は「哲学宗教」としての「仏教文化の維持発展」という役割を、寺院は話さなければならない。ただそのためには、77,000 もの数の寺院は必要ないのだろう。

 

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