「ケサランパサラン」を巡る冒険
お恥ずかしい話だが、私は還暦をとうに過ぎたこの年まで、「ケサランパサラン」という生き物が実在するのだと思っていた。だって田舎にいた頃はしょっちゅう目撃していて、「またケサランパサランが飛んで来た」なんてフツーに言っていたのだもの。まさに日常茶飯事だったのである。
YouTube で検索してみたら、田舎でいつも見ていたものと同じと思われる動画が見つかったので、下に埋め込んでおこう。動画をアップしてくれた Shino Takeo さん、ありがとう。
ところがこの動画のタイトルは、『ケサランパサラ(白い綿毛が付いたガガイモの種子)』ということになっている。「なぬ !? ガガイモだと? それって一体何なんだ?」私はかなりのショックを覚えてしまったね。
Wikipedia に当たってみると、「ケサランパサラン、ケセランパセランは江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体である」とある(参照) 。へえ! しかし謎の生物といっても 「ツチノコ」なんてのとは、わけが違うだろう。このケサランパサランを紹介した Wiki ページにも、姫路市立動物園に展示されているケサランパサランの画像が載ってるし。
このページを読み進むと、「穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育でき、増殖したり、持ち主に幸せを呼んだりすると言われている」なんてことまで書いてある。へえ、そんなことはちっとも知らなかった。子どもの頃は、ケサランパサランとの遭遇があまりにも日常茶飯事だったので、そこまで追求する気にもならなかった。
さらにケサランパサランの正体としては、次のように書かれてある。
“動物の毛玉” “植物の花の冠毛” などいくつかの説がある。またはこれらすべてを総称してケサランパサランとして認識されている可能性もある。
ケサランパサランの正体には、次のような説があるという。
- ワシなどの猛禽類がウサギなどの小動物を食べた際に排泄される毛玉(ペリット)
- 小動物が捕食された際に食べ残された毛皮の皮膚の部分が縮まり、毛を外側にして丸まったもの
- 牛や馬などの動物の胆石や結石
- アザミやオキナグサ、ブタナなどの植物の花の冠毛が寄り集まって固まったもの
- ガガイモの種の綿毛
- 綿状のカビ (白粉を与えると増えるというのはこのためだとも言われる)
- オーケン石 (okenite) や、雪虫、アオバハゴロモの幼虫
ここに挙げられたものをそれぞれ可能な限り画像検索してみたが、私の知っているケサランパサランに最も近くて納得できそうなのは、「ガガイモの種」説 (上記の YouTube 動画でもそう言ってるし)だった。「綿状のカビ」にも、ちょっと近いのがあるが、ガガイモの種ほどじゃない。
そういえば、私の田舎の隣の市にある加茂水族館(クラゲの展示では世界一といわれる)で、ケサランパサランが展示されているのを見たことがあるが、それは私にとってお馴染みのものじゃなく、もう少し質感のある物体だった。もしかしたら猛禽類が排泄した毛玉って、こんなのかもしれない。Google 画像検索の結果にリンクを張っておくので、こちらをクリックしてご覧頂きたい。
もう少しググってみると、「分裂増殖させたものがネット販売されている」なんて情報まで見つかった。探してみたら、確かにケサランパサランのショップがあるではないか(参照)。世の中、なかなか油断がならないものである。
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