何だかんだ言っても、この国はまだまだ捨てたもんじゃない
先週の金曜、例の大雨と強風で首都圏の鉄道が乱れまくった日に、私は仕事で神奈川県まで往復した。帰りは上野で夕方 5時前に常磐線に乗れたので、うまい具合に座れた。しかしだんだん混んできて、北千住で多くの乗客が乗り込んできた頃には、座れない人も出てきた。
北千住駅を出発してふと見ると、どうみても 80歳前後と思われる婦人が、ドアのそばに立っている。こうした場面で私はほぼ脊髄反射的に座席を譲ってしまうクセがあるので、いつものように立とうとすると、私よりも早く隣の青年がさっと立ち上がった。
「おお、若いのに感心なやつだ」と私は思った。ここで「若いのに」というのはかなり妙な文脈になってしまうが、ここしばらく若いヤツが老人に席を譲るのを見たことがないので、ついそう思ってしまったのである。この国もまだまだ捨てたもんじゃない。
ところが、そこで信じられないことが起きた。青年が立って空けた座席に、20歳前後の女の子がさっと座ってしまったのである。周囲はほとんど凍り付いたような反応だったが、その女の子はまるで気付かず、スマホ・ゲームに熱中している。
そこで私が立ち上がる番になったわけだ。下手に事を荒立てるのも面倒だし、元々譲ろうと思っていた席だから、全然構わない。今度こそ変なヤツが割り込んだりしないように、その老婦人に「どうぞ座って下さい」と声をかけ、確実に席を譲ると、周囲の雰囲気はやや和らいだ。
最初に席を立った青年は上から厚かましい女の子をずっとにらみつけていたが、その女の子は全然気付くことなく、スマホ・ゲームに熱中し続けた。
この国はまだまだ捨てたもんじゃないが、うんざりするほど厭になってしまうこともないではない。しかし私は、席を譲った青年がいたことの方を、ずっと心に留めておこうと思った。その方が精神衛生にいい。
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コメント
当たり前と言やぁ当たり前な行為でげすが、近頃じゃ当たり前のことが通らない世の中でげすからねぇ。
あっしももうポンコツでげすから、こういう青年の良心が未来を変えていくことを期待してぇもんでげす。
それにひきかえ…女が自己チューな生き物であることは、あっしんちにいる女たちを見ても明らかでげすが、それに「若い」と「須磨歩」がくっついちゃ、怖いもんなしでげすな。
須磨歩見ながら歩いてて、穴にでも落ちちめぇば笑ってやるんでげすがねぇw
投稿: 萩原下衆兵衛 | 2015年12月14日 11:02
萩原下衆兵衛 さん:
>それに「若い」と「須磨歩」がくっついちゃ、怖いもんなしでげすな。
いえる ^^;)
投稿: tak | 2015年12月14日 14:09