マグロは食わないことに決めると、気が楽になる
NewsSphere が「高級マグロの代表であるクロマグロが、絶滅の危機に瀕している」と伝えている。近年やっと規制が始まったが、一本釣りで知られる長崎県壱岐の漁師たちが「それでは不十分」と訴え、それに英国紙の「ガーディアン」が賛同しているという(参照)。
2014年の国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、ミナミマグロが絶滅の「深刻な危機」にあり、北大西洋クロマグロが「危機」にある。そしてクロマグロは「軽度の懸念」から「危険性が増大」に引き上げられ、絶滅危惧種に指定された。
「マグロが 1種類ぐらいいなくなっても仕方ない」なんて呑気なことをいう人もいるが、生物多様性の重要さはそんな単純なものではない。現在の生態系は生物多様性によって支えられているのであり、多様性が損なわれれば、生態系も損なわれる。つまり我々人間にも影響は及ぶのだ。
クロマグロの 80%は日本人が消費しているという。つまり日本人は、別に食わなくても死ぬわけじゃないクロマグロをばかすか食って、自らの存在を危ういものにしているのである。だったら単純な話だ。食わなきゃいいのである。
NewsSphere は次のようにも伝えている。
生物保護を目的とする、米国生物多様性センターのキャサリン・キルダフ氏は、買う人がいるから値段が上がり、乱獲が止まらないと述べ、クロマグロ絶滅を防ぐには、食べないという意思表示も必要だと主張する(NPR)
まさに簡単な話なのである。それで私は 2年半以上前に「当面、ウナギとマグロは食わないことにする」と書いた。マグロばかりでなくウナギも絶滅危惧種なので、そんなものを好んで食っては夢見が悪い。
今月 7日に "「ご馳走を食わない」 というポリシー" という記事で書いたように、余計なものは食わないと決めておくほうが、ずっと気が楽になる。
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コメント
テレビ番組では、まぐろは打って付けの”ネタ”のようですね。
まぐろを追う漁師を海の上で追いかけて”名人”と最大限持ち上げ、どこぞの回転すし店の社長が一尾一億何千万で競り落としたと取り上げ、それを至福の表情をうかべて食べている一般人を撮影し放送している。
まぐろ漬けのテレビ番組には些か食傷気味であります。
テレビ番組もくろまぐろの絶滅に一役買っていると思いますね。
投稿: ハマッコー | 2016年1月31日 20:57
ハマッコー さん:
現代人は実は本当においしいものをあまり食べたことがないので、「世間でおいしいと言われているものを食べればおいしいという気がする」というだけなのではないかと思っています。
だから 「まぐろはおいしい」 という情報を垂れ流すマスコミは、罪作りですね。「実はそんなにおいしいわけじゃない」 と、気付かせてあげなきゃいけないです。
投稿: tak | 2016年1月31日 21:36