デビッド・ボウイの死
デビッド・ボウイが死んだ。私は彼の音楽にリアル・タイムで付き合ってきたはずなのだが、実はそれほどショックは感じていない。あの類いの音楽は、私の守備範囲から外れているのだよね。だから、「彼の曲で一番好きなのは?」と聞かれても、「うぅん、何だろうなあ、実は彼の曲、あんまり知らないし」ということになってしまう。
彼は「20世紀で最も影響力を持ったアーティスト」なんだそうだが、私の印象では、音楽的な影響力という点に限って言えば、それほどのことはないと思う。彼は音楽に限らず、「パフォーマンス全体」という視点で、大きなインパクトを発揮していたのだろう。別の言い方をすれば、存在そのものがとてもユニークだったのだ。
大きな影響力をもったミュージシャンには、その信奉者が続々と続いて、「チルドレン」的な流れを作ることが多いが、彼が代表する「グラムロック」は、狭義にはあまり大きな流れとはならなかったと思っている。日本においては「ビジュアル系」なんていう、ちょっと踏み外しちゃったような流れが派生したみたいな気がするが、忌野清志郎なんかは、もしかしたら日本的に正しい継承者だったのかもしれない。
いずれにしても、この流れって、あまり長生きしないのだろうか。
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コメント
高校に入ったころ「スターマン」がラヂオから流れてきて「なんてやさしい音楽なんだろう」と思いました。
アルバム「ハンキー・ドリー」「ジギー・スターダスト」「アラジン・セイン」は全曲、名曲ですね。もしかしたら、この時期が彼の頂点だったのかもしれません。
彼は地球に落ちてきて、帰化することを望み、地球で生を終えたのですからよかったのではないでしょうか。
えっ?意味がわからない?ではそうですね、彼のアルバム「ジギー・スターダスト」あたりから聞いてみるとなんとなくわかると思いますよ。(おいおい)。
投稿: 萩原水寝 | 2016年1月11日 23:40
萩原水寝 さん:
おお、ここにデビッド・ボウイの理解者がいたのですね。
>彼は地球に落ちてきて、帰化することを望み、地球で生を終えたのですからよかったのではないでしょうか。
なんとなくわかります。
例えば、ルー・リード あたりだと、私の守備範囲ともかなりかぶるのです。ああ見えて、かなりトラディショナルな部分をきちんと継承しているので。
しかし、デビッド・ボウイは地球のトラディションではなく、宇宙的ですね。確かに。
『ジギー・スターダスト』を聞いたら、もっとはっきりわかりますかね。
投稿: tak | 2016年1月12日 20:45