ヒラリーの悪いクセ
昨年 7月に「生き返ったヒラリー・クリントン」という記事を書いて、前回の大統領予備選の頃は賞味期限切れになっていたヒラリー・クリントンが「周回遅れで走っているうちに、いつの間にか生き返ってしまった」と書いた。しかし完全に生き返ったとも言えないみたいな様相を呈してきたようなのである。
本日(時差の関係でまだ結果はわからないが)開催のアイオワ州党員集会を控え、地元紙デモイン・レジスターが先月 30日に発表した世論調査によると、ヒラリー・クリントンの支持率は45%だったのに対し、バーニー・サンダースが 42%と猛追している。バーニーはインターネット世代からの支持が圧倒的らしい。(参照)
ネット世代はいろいろな情報に不断に接しているので、リベラルで多様な価値観をもち、それを理解するバーニー・サンダースを支持しているというのである。サンダースの方が 74歳と、ヒラリーより年上なのに、若い層に支持されているというわけだ。
それに対してヒラリーは、「誰が大統領になる準備ができているだろうか?」と、自分のキャリアを強調する戦略に出ていると報道されているというのだが、私はこの記事を読んで「ああ、またこの女の悪いクセが出始めているな」と思った。何かツッコまれると典型的にステロタイプな反応をして、それで解決したつもりになっている。しかし実はそれでは「なんか違うな」と思われてしまうという結果を生むのだ。
ツッコミに対するヒラリーのお約束的すぎる反応は、実は逆効果の方が大きくなってしまうのである。今回と同じような図式が、前回のバラック・オバマとの対決で如実に表れ、ヒラリーが急速にフェイドアウトしてしまったのを、教訓にしきれていない。
共和党のドナルド・トランプの「お約束から外れすぎた言動」が妙な共感を呼んでしまうという世の中で、ヒラリーの「いかにもスマートだがお約束的すぎる」言動は、実は米国人の気質に合わないところがある。それでいつも、肝心なところで支持を失うのだ。彼女はまだそれをわかっていないのかもしれない。
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