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2016年2月11日

家庭用ビデオが売れないのはもっともな話

近頃、家庭用ビデオカメラが売れないんだそうだ。そりゃそうだろう。動画なんてデジカメやスマホで獲れるんだから、いくら小型化したとはいえ、あんなものを持ち歩く必要はない。

家庭でビデオを撮るケースというのは、赤ん坊やペットのちょっとした可愛い動きを記録するほかは、子供の習い事の発表会とか運動会の記録ぐらいのものだ。言うなればちょっとした自己満足のための「記録」でしかない。だったら、デジカメやスマホで十分だ。

本格的なムービーを撮りたいのなら家庭用ではなく業務用の機材が必要になるが、ごくフツーに考えればそんなものが求められる機会なんて滅多にない。だから家庭用ビデオカメラが売れなくなってしまうのももっともな話である。

そもそも自分で録画した動画を繰り返し見る機会なんて、あまり多くない。よほど芸術的な感性に自信があるなら別だが、旅行先で映した動画なんていうのもあまり大した作品にはならない。それよりも何枚かの静止画像を保存する方がずっといい。動画を見るのは時間がかかるが、静止画像なら一覧性があるので楽だ。

ちょっとした「面白動画」なんていうのも、見ていられるのはせいぜい 20〜30秒ぐらいのものである。「オチ」にたどり着くまで 2分や 3分もかかってしまうのでは、そこまで待ってくれる人なんてそうそういない。

こう考えると、一時かなり普及した家庭用ビデオカメラというのは一体何だったんだろうと、ちょっと呆然としてしまう。

ビデオカメラばかりではない。今の時代はスマホで代用可能な商品は売れない。その代表格が紙の百科事典で、これは既にほとんど死に絶えてしまった。そのほか、図鑑、録音機、万歩計、取り付け式のカーナビなどはどんどん市場性を失うだろう。

かくいう私も 10年前は「1台の多機能機より、複数の専用機」なんていう記事を書いていたのだが、たった 10年足らずで、市場は大きく変わってしまったのである。

今も 70歳以上の人の多くはスマホの多機能性に馴染めず、専用機を持ちたがる傾向が強いが、世代交代が進めば専用機の需要は加速度的に縮小するだろう。需要がなくなれば進化もストップするので、いずれは「昔は、そんなような機械があったよね」と言われることになる。

 

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コメント

デジタル8mmビデオカメラをかなりの金額で買って(10万円はしなかったと思いますが)、2回ほど使っただけで処分した私です(^^; 10年くらい前だったかなぁ……。

投稿: 山辺響 | 2016年2月12日 09:47

山辺響 さん:

1回分で 5万円近くかかりましたね ^^;)

投稿: tak | 2016年2月12日 09:54

20年以上前に8mmビデオを13万で買いました。
小旅行で一回、ゴルフの練習で一回使いました。

そのまま押し入れに20年、整理したら出てきたので使おうとしたらもう動かず。燃えるごみで出しました。
一回65000円です。

今は15000円のデジカメ買うと、遥かに鮮明な映像が記録できる装置が「おまけ」でついてきます。
複雑な気分です。

投稿: ハマッコー | 2016年2月12日 20:22

ハマッコー さん:

そうしたお話を聞くにつけ、「ああ、その昔、ビデオカメラ買うのを思いとどまっていてよかった」 と思います ^^;)

投稿: tak | 2016年2月12日 20:48

tak-shonaiさんごきげんよう~
こんばんは~
あ、まだ4時30分でした~
私なんか、もうすごいですよ~~
最初は子供達の小さかったころで30年ほど前ですかね。
4台目を5年前に買いました。
最後のは5年間でまだたった1度しか使っておりません。
涙涙涙涙涙涙涙涙涙・・・・・・・滂沱

ほんとうに、世の中はどんどん進歩変化しますね。
ついて行けないものだからまだガラケーですし。

投稿: 朱鷺子 | 2016年2月18日 16:34

朱鷺子 さん:

20数年間で 4台というのも、すごいですね。家電屋さんに表彰してもらえます。

投稿: tak | 2016年2月18日 17:49

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