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2016年4月12日

ひたちなか海浜公園のネモフィラの見頃が近付いているらしい

日本一の没イメージ県として君臨する茨城県の、数少ない売り物に、ひたちなか海浜公園のネモフィラがある。広大な面積の海辺の公園に「みはらしの丘」というものがあり、4月下旬から連休明けに至るまでの期間、そこがネモフィラという小さな紫っぽい花で埋め尽くされるのだ。絶景と言われていて、最近は海外からの観光客にまで知れ渡り始めているらしい。

Img_2406実は私も去年、知り合いに付き合ってこのネモフィラの絶景を眺めに行ってきた。写真はその時に撮ったものである。この写真は、ちょっと奥の方まで行って撮ったので、奇跡的に人の姿があまり映っていないが、他の場所は基本的に人、人、人の行列である。

このポイントは人が写りにくい穴場であるらしく、ネットで検索すると、この木が移りこんだアングルの写真がやたら多い。まあ、どの観光地でもいいアングルというのは決まり切ってしまうのだね。

そして驚いたことにこの「みはらしの丘」は、ネモフィラの季節が終わると人海戦術で植え替えをして、コキアという植物に模様替えし、秋にはそのコキアが紅葉するのが見ものなんだそうだ。一粒で二度おいしいみたいなところなのである。

まあ、美しいといえば、確かに美しい。しかし私はへそ曲がりだから、美しいだけではなんだか物足りなさを感じてしまうのである。そしていくらネモフィラが一年草であるとはいえ、季節ごとに植え替えして早変わりさせるという演出にも、「それはまあ、ご苦労さん」としか言えない気持ちになってしまうのだね。

何が不満なのかと言えば、それは「サイドストーリーの不在」ということになる。どうしてネモフィラなのか。どうしてコキアなのか。そこにどういう歴史的なストーリーがあるのか。そうしたことがまったく語られなくて、ただただ「どうです、綺麗でしょう!」というのでは、視覚的要素よりテキスト重視の傾向がある私としては、「はい、確かにきれいですね」と呟くだけで、シャンシャン! 終わり! となってしまう。

吉野の桜とか、富良野のラベンダーとか、沖縄のハイビスカスとか、ちゃんとしたサイドストーリーが語られると、なんとなくいい気持ちになるのだが、ひたちなかのネモフィラは、「たまたまこういうことです。綺麗なんだから、いいじゃん!」みたいなことのようで、しかも花の季節が終わると、さっさと撤去して衣替えというのも、都合がよすぎて、複雑な気分になってしまうのだよね。

まあ、「綺麗なんだから、いいじゃん!」ということでいいなら、文句を言っても仕方ないのだけれど。

 

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