「笑顔で接客します」 というステッカー
どこの店とかは言わないが(物販ではなく、サービス業ってことだけは言っておこうかな)、店内あるいは車内(あ、これを言っちゃ、タクシー会社が含まれるとバレるか) に、「私たちは笑顔で接客します」とか「明るい笑顔で応対します」とか書かれたステッカーがわざとらしく 貼られていることがある。しかし実際にはそんな店(あるいはクルマ)で「笑顔での接客」なんて、受けた覚えがない。
店員たち(あるいはドライバーたち)は決して無愛想過ぎるというわけでもなく、ただ淡々と仕事をこなしているだけなのに、ステッカーの文言との落差のせいで、必要以上に愛想なしに見えてしまうのが痛恨である。こんなことなら余計なステッカーなんて貼らなきゃいいのに、貼っただけでサービスになると勘違いしているマネジメントが案外多い。
そういえば、店員が自然な笑顔で愛想よく対応してくれる店で、「私たちは笑顔で接客します」なんていうステッカーを見たことがない。そんなステッカーなんてない店の方が、気持ちよくサービスを受けられるというのは、経験が雄弁に物語る。
人間はえてして「ないものねだり」をするものである。店の経営者やマネジメントもその習性から逃れられないどころか、実はもっともその傾向が強かったりする。
技術を売り物にするサービス業で、職人気質の店員が多かったりする店には、客としても必要以上のお愛想なんて求めない。威勢のいい寿司屋で職人が妙な作り笑顔で「いらっしゃいませ〜♪」なんて言うようだと、かえって気持ちが悪い。JAL の CA が自らの顔面に貼り付ける恐ろしいまでの作り笑顔に、私はぞっとしてしまうのと同様の感慨である。
だったら余計なステッカーなんて貼らなきゃいいのに、マネジメントは「ないものねだり」で、従業員に無理な「作り笑顔」を要求するのである。そして「ないもの」を「ある」ように言ってしまうので、その「ないこと」がかえって浮き彫りにされ、滑稽な様相を呈してしまうのだよね。
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コメント
むしろタクシーの運転手さんというのは、
何故こうも横柄なのか…と思うことが多いです
いちおうサービス業でしょうに
(´・ω・`)
投稿: ひろゆき王子 | 2016年4月21日 21:35
ひろゆき王子 さん:
私の場合、割と友好的に話が弾むことが多いですよ。
たまたまいいおっさんに当たるのかなあ。
ただし、「笑顔で接客します」 というステッカーが貼ってあると、大抵だめですけどね (^o^)
投稿: tak | 2016年4月22日 01:08
タクシーの運転手の仕事を生活の糧として、そして誇りをもってやってる人と、「なんでこの俺が運転手やらないかんねん」と思ってる人と二つに分けられますね。
前者は私鉄系と大手、後者はどうも中小のようです。
一言も口を利かない人、到着と同時に料金メーターをリセットしてしまい実際より高く請求する人は中小でしたね。
そこまで自分の仕事を蔑まなくてもいいのにと何度思ったことか。
個人タクシーは高級車が多くセルシオなんて素晴らしい乗り心地でしたが、高速を150km/hで飛ばされたときはぶったまげました。愛想はいいですが職業意識が最悪ですね。150km/hで事故ると乗客も運転手も死にます。こりゃもう棺桶ですよ。
最終結論:愛想とか笑顔なんてどうでもいいから、「安全運転」です。
投稿: ハマッコー | 2016年4月22日 22:46
ハマッコー さん:
>最終結論:愛想とか笑顔なんてどうでもいいから、「安全運転」です。
同感です (^o^)
投稿: tak | 2016年4月23日 00:57