自分の会社が「好き」ですか?
「千日ブログ ~雑学とニュース~」というサイトに「社畜が多い日本でまさか! 世界一会社を嫌いな日本人 信頼も最低」という記事がある。いろいろな調査で、日本人の自分の会社に対する "engagement" 意識の低さが明らかにされているのだそうだ。
ギャラップ社の調査によると、下の表のような具合だという。ちなみにここでは便宜的に、「Engaged: 会社が好き、Not engaged: 別に好きじゃない、Actively disengaged: はっきり言って嫌い」というような意味合いと解釈してそう大きな間違いはないだろう。
| 国名 | Engaged (%) |
Not engaged (%) |
Actively disengaged (%) |
| 米国 | 30 | 52 | 18 |
| ブラジル | 27 | 62 | 12 |
| オーストラリア | 24 | 60 | 16 |
| イギリス | 17 | 57 | 26 |
| ドイツ | 15 | 61 | 24 |
| フランス | 9 | 65 | 26 |
| 日本 | 7 | 69 | 24 |
| 中国 | 6 | 68 | 26 |
なるほど、確かに日本人は会社が好きじゃないようだ。もっとも中国人は日本人以上に会社が嫌いのようだが、「日本人は勤勉で会社に忠実」というイメージからすると、外国からみたらかなり意外な数字と思われるだろう。そしてこう言っちゃナンだが、フランス人と中国人の数字はかなりイメージ通りだと思う。
で、日本人の数字だが「会社が好き」なのはわずか 7%で、69% は「好きじゃない」と答え、24% は「はっきり言って嫌い」としている。フツーの考え方からしたら、「じゃあ、どうして日本人は好きでもない会社の仕事を、そんなに勤勉にこなすのか?」という疑問を投げかけられるだろう。
その答えは簡単だ。日本人は仕事を楽しそうにこなしても、そんなに誉められないのである。逆に、いかにも苦労している風に仕事をしていると、評価してもらえる。「苦労イコール勤勉」なのである。「仕事を楽しくこなす」なんて態度を示したりしたら、「勤勉なヤツ」とはまず思ってもらえない。
だから「会社が好き」なんてことは、あまり言っちゃいけないのである。苦労の場である会社を「好き」なんて言うと、「頭おかしいんじゃないの?」なんて思われかねない。そんなのは、就職試験の面接以外の場で言うべき文脈ではないのだ。就職前は「貴社が好き」と言わないと採用してもらえないが、就職して「自分の会社」になったとたん、言いにくくなる。
ただ、ビミョーな感覚ではあるが、「会社」ではなく「仕事が好き」ということなら、時と場合によっては言うべきだと思われている。とくに仕事の後の飲み会などでは、上司に対してそれをアピールすると、覚えがめでたくなったりする。「苦労が好きな勤勉なヤツ」と思ってもらえるのだ。
ところがいくら会社の飲み会でも「会社が好き」なんて口走ろうものなら、ちょっと白い目で見られることになりかねない。日本の仕事社会というのは、なかなかビミョーで難しいものなのだ。おもしろい国だね。
ちなみに私自身は、「企業内個人事業主」みたいな立場の仕事しかしたことがないので、勤め人だった頃も、「会社はクライアント」という意識で働いていた。別に好きも嫌いもなく、「請け負っただけの結果はきちんと出しますよ。それで文句ないでしょ」という感じだったなあ。
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コメント
以前に仕事で疲れて帰ってきた親が中学生の息子に努力を説いたときに、「僕だって学校で長い時間我慢しているんだ!」と反論するTVドラマ?を見た気がします(小説だったか?)
親が仕事の愚痴ばかりこぼしていると、子供は仕事=苦役という理解をして、自分がわからない授業を我慢して聞いている行為も同等と捉えてしまうというオチだったと思います。
今回の記事でその話を思い出しました。
投稿: ちくりん | 2016年5月 6日 13:37
ちくりん さん:
10年前に書いた "「むかつき貯金」 は 「むかつき借金」" という記事を思い出しました。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2006/02/post_7c84.html
内田樹氏の 「不快という貨幣」 という記事について書いたものです。
http://blog.tatsuru.com/archives/001572.php
投稿: tak | 2016年5月 6日 18:10
takさん、こんにちは。
TVドラマでも小説でもなく、まさしく「むかつき貯金」のお話でした(@_@;)
少なくとも私は10年来の読者ということですね♪
投稿: ちくりん | 2016年5月 7日 10:57
この手の海外の調査結果には懐疑的です。どんな調査をしているのやら。
紹介されたサイトの下の方には、日本人の勤勉度は世界で最低と結論付けていましたが、とんでもないですね。
私の周囲にいる15人くらいの勤め人は、勤勉で、責任感強く、仕事では決して手を抜きませんね。
会社に多少の不満を漏らすことはあっても、それが仕事に影響するようなことは絶対ありません。
「もらってる給料分はきっちり仕事はさせてもらいますよ」という人たちですね。
いい加減な海外の調査結果にはしっかり反論をすべきですね。
投稿: ハマッコー | 2016年5月 8日 03:51
ちくりん さん:
10年もお付き合いいただき、本当にありがたい限りです (^o^)
投稿: tak | 2016年5月 8日 15:00
ハマッコー さん:
この手の調査では、日本人は比較的自虐的な回答をしがちです。
謙遜のつもりでも、結果は自虐的傾向として現れるので、こんなことになりますね。
また、日本人の多くは 「やる気に溢れて」 仕事をしているわけじゃなく、「人並み」 にやっているだけなので、自分でもそんなにまで勤勉な労働者とは思っていないことがあります。
ただ日本では 「人並み」 のスタンダードがやたら高いので、たとえやる気はなくても、それなりに 「勤勉な仕事」 になってしまいます。
投稿: tak | 2016年5月 8日 15:05