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2016年6月19日

名古屋はおもしろい街である

今回、3泊 4日の出張で大阪と岐阜を訪れ、3泊のうち名古屋に 2泊した。名古屋に直接用があったわけではないのだが、中継地として便利だったのである。私はこれまでにも名古屋に何泊したかわからないほどだが、そのほとんどは名古屋周辺に用があっただけで、実は名古屋の街にまともに足を踏み入れたことはあまりない。

つまり、名古屋駅周辺しか知らず、せいぜい地下鉄で 2つめの「丸の内」という駅で降りたところの「繊維街」の入り口あたりに何度か行ったことがある程度のことである。この程度の浅い馴染みだが、名古屋駅自体は本当に何度も訪れているので、私の中に「名古屋のイメージ」というのは厳然としてある。

その中で最も強いイメージは、「名古屋の女性は、ファッションがケバい」ということだ。本当に名古屋駅周辺を歩くと、名古屋の女性のファッションはケバく感じるのである。大阪のオカンたちとは別の種類のケバさだ。派手なプリント柄が多いし、なんだか知らないが、薄物フリルの多用でひらひらしたものを着ている女性がやたらと多い。

10年以上前、名古屋在住の友人に「名古屋の女性のファッション、ちょっとケバいよね と言ってみたことがある。彼は「そうなんですよ。皆、今から合コン行ってきますっていう気合いで服着てるでしょ」と答えた。名古屋の人間でも、他で長く暮らしたことのある者は、そのあたりのことを感じているらしい。

「あれって無意識的に男に媚びてるというか、おもねてるんですよ」と、彼は言う。そうした意識の現れとして、あの独特のケバさになるということらしく、要するに延々と嫁入り道具を連ねる風習と、意識の深いところでは共通しているというのだ。なるほど、名古屋というところは金はないわけじゃないので、そんなところなのかもしれない。

それから、名古屋の街は道路標識の道案内がわかりにくい。既に述べたように私は名古屋駅周辺しか知らないが、20年以上前にレンタカーを借りて名古屋港に近い金城ふ頭の国際展示場に展示物を運んだことがある。当時はカーナビなんてなかったし、道路案内がまともに整備されてないので一苦労した。

とにかく根本的に、名古屋の道路は地元の者しか通らないという前提で作られているんじゃないかと思うほど、道案内が少なく、中心部は碁盤の目状とはいえよそ者は迷いやすい。当時はその傾向が今より極端で、ずっと走ってようやく「あ、あそこに案内がある!」と思って近付いてみると、そこは国道 1号線(要するに東海道ね)で、右に行くと東京で、左に行くと大阪という大ざっぱすぎる表示にずっこけた。

大都市名古屋ではあるが、その根底には日本古来の思いっきりドメスティックな身内感覚が脈々と残っていると感じられる。そうかと思うと、その身内感覚だけでは対応しきれなくなって、後から取って付けたようなものが随所に見受けられる。その代表的なのが、下の写真だ。

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これは地下鉄丸の内駅 (つまり、名古屋の中心部) 構内の、ホームに降りる階段付近である。元々ある案内表示だけではわかりにくいというので、降り口にこんな風にべたべた貼ってあるのだろうが、その張り方がいかにも間に合わせっぽい。またよく考えて貼ったとも思われないので、すべてに赤いアンダーラインが付いていたりする割には、結局のところわかりにくい。

張り紙が無駄に階段の傾斜と合わせて斜めに貼ってあり、しかもその角度がビミョーに混乱しているというのも、何だか泣かせるポイントである。いずれにしてもこんなような案内表示は、少なくとも私は日本の他の街の地下鉄では見たことがなく、「ああ、名古屋だなあ」と感動してしまったのである。

 

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コメント

この土日は私も名古屋に行ってました(主目的は豊田スタジアムですが、名古屋に宿泊)。名古屋市内を歩くのはたぶん四半世紀ぶりくらい。暑かったですね~。

そして都内から行ったというのに、「うえ~人が多いよ~」という印象。車両が狭いのか運転本数が少ないのか、電車もすべて混んでいました……。

投稿: 山辺響 | 2016年6月20日 09:39

名古屋は40年以上前に野球を観に一度行っただけなので全く記憶にないですが、全てを身内同士でテキトーにやってしまうと言うのは聞いてました。

写真のような光景は東京、横浜では100%あり得ませんね。しかも日本語だけというのもおかしい。今は、日本語+ローマ字+中国語+韓国語が標準になりつつあります。

外部から来る人のことを全く意識していない。交通局とか観光課とか関係部署は何をやってるんでしょうかね。

”名古屋はどえりゃぁわかりにくくていかんでよ”と地元の人(愛知県民)は言わないみたいですね。

投稿: ハマッコー | 2016年6月20日 10:49

あはは、思わず笑ってしまいました。
地下鉄「桜通線」のことですね。
しかし、これはひどいなぁ。
市バスのボディを、小学生が描いたマチマチの絵で埋めた恥ずかしいデザインも然りでしたが、デザイン都市名古屋って言ってる割には、やってることがチグハグこの上無しですね。
あぁ、恥ずかしい...。

投稿: さくら | 2016年6月20日 13:03

なるほど、名古屋、面白さうですね(笑)。それにこの表示板、学生運動華やかりしころのアジテイシヨンを想起させ、製作者の年代が想像できます(笑)。
とはいゑ、この乱雑さ、かの内田百間翁だつたら、イライラして並べなおしてしまふかも(百間さんごめんなさひ)。

投稿: はぎ腹みづ寝 | 2016年6月20日 13:34

山辺響 さん:

あの暑い土曜日は、ラグビーやってたんですね。
名古屋は確かに、いつ行っても人が多く感じます。どういうわけなのかなあ。

投稿: tak | 2016年6月20日 18:48

ハマッコー さん:

本当にドメスティックな街という気がします。身内感覚ですね。

その代わり、安易なトレンドに流されないというところもあります。
「おれらはおれらでやるわ!」 という強さを感じますね。

「おれらだけでやりすぎ」 というのが、ちょっと...... ^^;)

投稿: tak | 2016年6月20日 18:52

さくら さん:

あの「お絵かきバス」 と、この案内表示は、なんだか一脈通じる感覚があります (^o^)

こう言っちゃなんですが、名古屋は建築とか、金かけたデザインは悪くないのがありますが、金かけないと、大抵こんな感じですね ^^;)

投稿: tak | 2016年6月20日 18:55

はぎ腹みづ寝 さん:

名古屋のデザインの醍醐味は、金の鯱とか、金をかけたキッチュ感覚なのかもしれません。日光東照宮も元を辿れば、そこに行き着きそうです。

ただ、金をかけないとこんな感じで、60〜70年代の大学みたいになっちゃうんでしょうね。

内田百聞翁が出てくるとは、意表を突かれましたが、なるほど、これは我慢がならないでしょうね (^o^)

投稿: tak | 2016年6月20日 19:02

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